背景が重要!
背景が写真の主役を引き立ててくれる!!
前回第4章では、写真の構図についての講座をしましたが、撮りたい被写体に向かって構えた時、少しカメラアングルをずらすだけでも、見違えるように【写真】が【作品】になるということを理解していただけたかと思います。
今回は、構図ともっとも密接な関係がある『背景の選び方』の講座です。
撮りたい!と思った被写体を見つけた瞬間慌ててシャッターを押した…でも、撮った後で見ると背景がパッとしなくて「もっとこうとれば良かった…」後悔したことありませんか!? シャッターを押す時に一呼吸おいて!被写体の背景はどうなってるか!?被写体をあらゆる角度から背景を見つめ直し、少し回り込むだけで全く違ったイメージの写真が生まれます。
背景(バック)を選べは、主題が生きる!すると、さらにキレイな写真に生まれ変わります。
人物やペット・花や植物などを撮る瞬間、つい見たままその場、その位置でシャッターを押してしまったりしませんか!?…実はカメラビギナーに多いのです。 撮る時に一呼吸おいて少し角度を変えるだけで、背景がさらに写真の主役を引き立ててくれることがあります。 例題として、4種類8枚の写真で、写真のイメージがどう変わるかを見比べ見ましょう。
◉まずはどちらも、同じ場所の中の一本のひまわりの花を主役に撮った写真です。
左のひまわりの写真は |
背景すぐ後ろに植物の茂みがあり、その奥には山の斜面があって影で黒くなっています。
右のひまわりの写真は |
このひまわりを軸に少し右側に回り込み少しローアングルから空を入れた写真。
どうでしょう!? |
随分とイメージが違いますよね。
こればかりは個人個人の好みの問題も左右されますが、 左のひまわりの写真は、背景が黒くなった分、主役のひまわりの花が引き立ってクールな印象を受けますが、ひまわりの花に限っては『夏の花』のイメージ!明るい青空を入れて、花が空を向いていると夏のイメージと躍動感のある写真、そして元気を感じられるイメージに変わりますよね。
左に比べて、右のひまわりの写真は、より青空の入る方向に回り込んで、さらにローアングル(かがみこんで低い位置から撮る)から撮ることにより、より青空の入り込みと、ひまわりの花が空に向かって咲いているイメージをさらに増幅してくれ、主役を引き立ててくれます。
◉次に、部屋のテーブルに置かれた写真です。
左の写真は |
まず見たまま立った位置から写した写真です。
右の写真は |
部屋の2面の窓から外光と窓のシルエットを入れるため、少しかがみこんでローアングルから写しました。
するとどうでしょう! |
今度は明らかに右の写真の方が奥行き感や光のイメージが湧いてきて、一枚の写真に命が吹き込まれました。
◉次は、梅林の中の一部分の白梅をクローズアップした写真です。
左の写真は |
まず見たまま立った位置から写した写真です。背景は梅の木の幹や土が写り込んで暗いイメージです。
右の写真は |
●右の写真は、
ピンクの紅梅を背景に少し右に回りここんで、地面から背景を離すために少しローアングルから!
どうでしょう!? |
今度も明らかに右の写真の方が背景か華やかになり春の光のイメージが湧きだし、一枚の写真に命が吹き込まれます。
◉次は、観光地で見つけた店先でのスナップ写真です。
一枚の写真から何を連想できるか!?
ラムネを置いている店先を、少し角度を変えるだけでも写真のシーンのイメージは変わります。
左の写真を見ると |
道の向こうから歩いてくる人のシーンが浮かんできます。
右の写真は |
少し左に回って撮りました。店の奥にいる店のおばさんかおじさんが微笑みかけてくるように感じませんか!?
動画と違って写真は一枚でストーリーを表すもの!とSTUDIO MODEL K’sは考えています。 少し背景を考えるだけでも、大きくその場の空気感やイメージまでもが変わってくることをお分かりいただけたかと思います。
撮影者と背景と被写体の位置関係で、背景のボケ具合などイメージが変わる
背景のボケ具合は、一眼レフカメラとF値の明るいレンズ、イメージセンサーの大きいものほど、綺麗にぼかすことができるのですが、撮る側から見て、人やペット、草花など被写体と背景の位置関係でも、背景のボケ具合や、イメージは大きく変わります。(被写界深度)
① 一番背景がボケやすい・・・ | |
被写体と背景が離れている カメラの絞りの設定にもよりますが、全て同じとした場合、ピントを合わせた被写体と背景が離れているので、背景の木にはピントが合いにくいのでボケやすい |
②背景はボケにくい・・・ | |
背景と被写体が近い場合 カメラの絞りの設定にもよりますが、全て同じとした場合、ピントを合わせた被写体と背景が近いので、背景の木にもややピントが合っているのてボケにくい |
③一番ボケにくい・・・ | |
背景と被写体が近く、撮影者との距離が① ②より離れている場合 カメラの絞りの設定にもよりますが、全て同じとした場合、被写体がカメラから離れていて、ピントを合わせた被写体と背景が近いので、背景の木にもピントがやや合うので、ごちゃごちゃした印象で被写体を引き立てにくい。また、上記① ②に比べて同じ焦点距離のレンズの場合、被写体が小さく写ります。 また、撮影者と被写体との距離にも密接な関係があって、被写体が近いほど背景はボケやすく、被写体と撮影者が離れているほどボケにくい。 |
今回は、構図ともっとも密接な関係がある『背景の選び方』について説明しましたが、 撮る時に一呼吸おいて少し角度を変えるだけで、奥行き感がましたり、華やかさがましたり、大きくその場の空気感やイメージまでもが変わったりと一枚の写真に命が吹き込まれることをお分かりいただけたかと思います。 また、被写体と背景の距離も重要で、撮影者と被写体との距離にも密接な関係があります。 ◯ と背景が離れているほどボケやすく、近いほどボケにくい。 ◯ 被写体が近いほど背景はボケやすく、離れているほどボケにくい。 被写体と背景のボケの関係は、レンズのF値(レンズの明るさ)にも関係が大きく『被写界深度』と言いますが、それはカメラの露出にも関係してきますので、少し後の章で、しっかりと解説していきます。
撮影依頼などの他にも 学校やサークルなど『レンジャー前田の写真講座』の講義、講習に来て欲しい!などの依頼は喜んで伺いますので、お気軽にお問い合わせください。
『レンジャー前田の写真講座の著作権について!』 この講座に掲載しているテキスト、オリジナル写真やオリジナルCGなど全てのコンテンツの著作権は、STUDIO MODEL K’sまたはレンジャー前田に帰属します。 当 写真講座に掲示するコンテンツの全部又は一部を、事前の承諾なしに、転載、コピー、出版等その他著作権等を侵害する行為を自ら、また第三者に行わせることも一切できません。 またリンクについて、当サイトはリンクフリーですが、予告なくページの追加、変更または削除することがありますので、予めご了承ください。