レンジャー前田の写真講座 第12章【 玉ボケ】

12章

理屈を理解すれば超簡単!!
キラキラの玉ボケ(丸ボケ)を撮ってみる!

 

DSC04699玉ボケ(丸ボケ)とは

写真の背景に柔らかくキラキラした丸い光が、まるでシャボン玉のように浮かんで幻想的なイメージの写真ってありますよね!

木漏れ日や水面のきらめき、イルミネーションなどのいくつもの点光源があるとき、レンズの中の絞りの形にボケて玉状になることを「玉ぼけ(丸ボケ)」といいます。

背景に玉ボケがあると、写真が柔らかいイメージになり、写真に空気感や光のイメージが加算されます。

実は、そんな玉ボケ(丸ボケ)…ボケと名のつくように、要はピンボケ! 理屈さえ覚えれば、簡単に写せるんですね!
レンジャー前田の写真講座 第12章では、そんな玉ボケ(丸ボケ)の撮り方について解説します

玉ボケ(丸ボケ)を作り出すことは、意外と簡単!!・・・ですが、幾つかの条件が必要です。

1. キラキラきらめきゾーンを探し背景に! 【コレが必須】

背景には、点光源のあるシーンを選びましょう。

細かくていくつも点光源があることが、大前提です。

DSC_0521 KUN_71961 SMK_6049
逆光からの木の葉からの木漏れ日 海や川など水面に太陽の反射のきらめきがある場所 沢山の木の葉が太陽の反射でキラキラしているシーン
DSC0359 DSC02022-1 SMK_6661
葉についた水滴に光が反射したシーン イルミネーションの電球など細かくていくつも点光源 夕陽や朝陽の反射

まずは、被写体の背景に水面のきらめき、や葉についた水滴に光が反射したシーン、イルミネーションの電球など細かくていくつも点光源があることが、大前提です。

 

2. 大きなイメージセンサー・明るいレンズが有利!

cmos_

実は、センサーが大きいほど柔らかいボケが創れる!

デジタル一眼のように、まずは撮像素子(イメージセンサー)が大きくてレンズが明るい(解放F値が小さい)ほど有利で、大きく玉ボケを創れる

マニュアルでピント位置を合わせられるタイプ、コンデジでもマクロモードなどが、より手前にピントが合い、背景がボケやすいのでオススメです。

 

3. 広角より中望遠の方が大きな玉ボケが出来る!
KUN_7057 KUN_7057 のコピー
広角レンズの画角 望遠レンズの画角

レンズの焦点距離が、広角より望遠ほど背景が大きくボカせられます。

広角レンズに比べて,望遠寄りのレンズの方が,被写界深度が浅くなるため、玉ボケになる背景の条件が揃えば、大きな玉ボケになります。

また、普通のレンズより近くにピントが合いやすいマクロレンズの方が大きく玉ボケを創れます。

しかし、あまり望遠だと画角が狭くなりすぎ、背景となる部分の範囲が狭くなるのでより多くの玉ボケを背景に映し出すことには適さず、中望遠と呼ばれる標準レンズ 50mm(35mm判)から 100mm(35mm判)程度が綺麗に背景に入り込みます。

 

4. 出来る限り絞りを開けて撮る!

suido9-1左図の左側のように、レンズの絞りを開ける(F2.8など最小絞り)に近づけるほど大きな玉ボケ(丸ボケ)が出来ます。

しかし!! ただ開けるといいというものではなく

慣れていくにつれ、絞りで玉ボケの大きさを調整してその場のイメージを創ることもできます。

コツはレンズやカメラ本体のスイッチをマニュアルフォーカスにして点光源にレンズを向け、手動でレンズのピント位置を遠くから徐々に近くに向けて動かしていくと、「あっ!これが玉ボケかぁ」って解ります

 

5. 被写体をより手前に! 背景は遠ざける! がポイント

被写体を置く場合は、出来るだけピントを合わす対象物を近づけ、さらに被写体と背景を遠ざけると大きく玉ボケを創れます。

Hishatai-2

Hishatai-1

 

また玉ボケ(丸ボケ)のみを撮る場合は、点光源の背景にピントを最短付近に持ってくると大きく玉ボケを創ることができます。

玉ボケが発生するのは、点光源がカメラの被写界深度(ピントがおおよそ合っている範囲)から大きく外れたときです。『被写体を近くに、点光源の背景を遠ざける!』

玉ボケ(丸ボケ)=点光源のある背景のピンボケ と考えるとわかりやすいですね。

 

6. コントラストの強い背景を選ぶ!

KUN_7669逆光時の藪の中に光る木漏れ日や、夜空にイルミネーションなど、『背景が暗い場所に光』という明暗差の大きい(コントラストの大きい)シチュエーションほどハッキリとした玉ボケ(丸ボケ)が創れます。

左画像は、池に写る陽の光の風景をピントが最短付近にした画像が右側の写真

 

では! いろいろな作例でイメージを掴んでみよう!!

レンジャー前田が撮った作例です。

DSC_8723 DSC04699
焦点距離 200mm : F値 4 焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 4
 カブトムシの写真:遠くの木漏れ日  川トンボの写真: 小川のせせらぎのきらめき
DSC05365 DSC06052-1
焦点距離 50mm : F値 2.8 焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 3.2
 グラスの写真 : イルミネーションを背景に  タンポポの写真 : 林の木漏れ日を背景に
KUN_2708 KUN_4734
 焦点距離 50mm : F値 3.2  焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 4
 コーヒーカップ : 海に光るきらめきを背景に  紫陽花の写真 : 木漏れ日や他の紫陽花のボケ
MKS_0371 SMK_0441
 焦点距離150mmマクロレンズ : F値 5.6  焦点距離 150mmマクロレンズ : F値 3.2
 蝶の写真 : 葉や花の隙間に溢れるきらめき  シダの写真 : 清流に輝くきらめきを背景に
SMK_4217 写真 2014-06-29 17 57 17
 焦点距離 300mm : F値 8  焦点距離 135mm : F値 3.5
 水たまりに写る桜 : この写真のみ手前の花びらのきらめきで前ボケの玉ボケ! 絞れば花びらをイメージさす小さな玉ボケに  アガパンサスの写真 : 木漏れ日を使い、まるで打ち上げ花火のイメージで!

 

Matome2

F値をコントロールするので撮影モードは絞り優先オート A(Av)で撮ります。

このとき、絞りを解放付近にするため、光源が明るい場合では露出オーバーになることがあるので、シャッタースピードが点滅しているなど注意し、適時ISOを低感度にするなど対応してください。

フォーカスは、オートで撮るのもいいですが、マニュアルフォーカスにして点光源にレンズを向け、レンズのピント位置を遠くから徐々に近くに向けて動かしていき、確認すると「あっ!これが玉ボケかぁ」って解ります

 

次回は、第13章

実は“ローアングル”がポイント
奥行き感や臨場感が生まれる!

》》》 写真講座のINDEX

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 『レンジャー前田の写真講座の著作権について!』 この講座に掲載しているテキスト、オリジナル写真やオリジナルCGなど全てのコンテンツの著作権は、STUDIO MODEL K’sまたはレンジャー前田に帰属します。 当 写真講座に掲示するコンテンツの全部又は一部を、事前の承諾なしに、転載、コピー、出版等その他著作権等を侵害する行為を自ら、また第三者に行わせることも一切できません。 またリンクについて、当サイトはリンクフリーですが、予告なくページの追加、変更または削除することがありますので、予めご了承ください。

 

レンジャー前田の写真講座 第8章【露出補正】

8章あれ!? 撮ったら見た目より暗く写ってしまう…
露出補正を理解しよう!

 

第6章で解説したカメラのホワイトバランスも、第7章のISOもカメラ任せにしないで自分で細かく設定出来るようになりましたか!? 今回は『露出補正』 korer写真を撮った時、実際に見てるシーンより撮った写真が暗く写ってる… またはこんなに明るくないのに… って、思ったこと ありますよね! 時に露出オートは意図しない明るさに写ってしまったりします。 今回、カメラ任せから解決するのはAE(自動露出)です。この自動ってのもやはりクセもので、そう思い通りには動いてくれません。 しかし、解決策はあります。ほとんどのデジタルカメラには露出補正機能というのが付いています。その露出補正という機能を使えば、簡単に写真の明るい、暗いを調整できるのです。 今回は、その仕組みなどを解説していきますね!

 

まずAE《(AE=Auto Exposure)自動露出》の実験をしてみましょう

お手元のスマホ(機種にもよりますが)やコンデジなどで、簡単にその仕組みがわかります。 

IMG_1052

実験の仕方は、白い紙と黒い紙を並べたものをスマホモニターでみます。

または、白いものと、黒いものが画面半物ずつになるように、スマホのカメラアプリを開いて、モニターでどちらかにピントを合わせるために指で黒いほうか、白い方のどちらかを指でタップします。

左の写真は、白い紙の上に置いたニコンのカメラを置いたところを私のiPhoneのカメラアプリで覗いたところです

要は白い紙と黒い紙を半分づつ画面に映すだけでOK!    

まず、カメラの黒い部分を指でタップ! するとどうでしょう!! 一瞬にモニターが急に明るくなりました。 (またはコンデジなど黒い部分にピントを合わせてみてください) 今度は、下に敷いた白い紙を指でタップ! 今度は、一瞬にモニターが薄暗くなってしまいました。 (またはコンデジなど黒い部分にピントを合わせてみてください)   どちらも、タップした黄色い枠の部分はグレーで同じような色になったでしょう! 実は、これがAE(自動露出)の原理です

IMG_1052-3
IMG_1052-2

 

 今度は、下の画像で説明します。

18%グレー

まず、カメラは太陽などの光源に照らされた光を計測し、その明るさをカメラのAEが反射率18%グレーに合わせて画像が作られる様に設計されています。

その時、人なら「白いものは白い!」「黒いものは黒い」と頭で考えられ、見たものもそう見えますが、ホワイトバランスの章でもお話ししましたが、カメラには基準となるものに対して写りが変わってしまいます。

カメラの中にあるAE(自動露出)装置が瞬時に被写体の明度を感知して、イメージセンサーで画像データに変わるのですが、その明度の基準が『反射率18%グレー』と言うものなのです。

※今回はそのAEの範囲を決める測光モード(平均測光やスポット測光等)は、また次回に説明します ◉ 反射率18%グレーって? 何%ぐらいの濃さのグレーかということでは無くて、反射率が18%の無彩色で、人の肌や一般の植物など、反射率が18%と言うことで、人を綺麗に撮る!など、ごく一般の色基準をさします。 それぞれ二枚の写真を、まずモノクロに変換して、どんどんぼかして行ったのが下の写真です どうでしょう!? 極限までぼかした写真は、元データが明るい部分、暗い部分が均等にあれば、このように同じようなグレーになります。

 

名称未設定-4 名称未設定41

 

しかし、暗い部分が大半を占めたシーンでは黒に近い暗いグレーになるし、明るい部分が大半を占めたシーンでは、白に近い明るいグレーになります。それをカメラのAEは、黒に近いグレーも中間ぐらいのグレーに持って行き、黒っぽいグレーも中間ぐらいのグレーに持っていく特性があります。 そのため、極端な黒はグレーのように明るく、白はグレーのように暗くなってしまうのです。

moriのコピー

左写真のように見える森を撮ったら、右側の写真のように見た目より明るく色が抜けて見えたり、

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左写真のような雪景色を撮ったら、右側の写真のように見た目より暗く写ってしまいます。 ※「明るく撮りたい!」「もっと暗く撮りたい!」など写真の明るさの好みは人それぞれですので、適正露出はコレだ!! という基準がこうだ!というもではありません。

 

◉ では!露出補正とは?

まずは、お手持ちのカメラの露出補正できる場所がどこにあるかをまず探しましょう。

hosei2 imgresのコピー の各社共通マークが目印 ・・・-1.0、-0.7、-0.3、0.0、+0.3、+0,7、+1.0・・・などのように表示されています。 hosei   hosei27

 

(-1.0とはカメラが決めた適正露出より1段分暗いということ)一段上げると撮像素子に当たる光の量が2倍になり、一段下げると2分の1になります。

自分の思い通りの明るさに調整しよう 「もう少し明るく撮りたい」「もう少し暗く撮りたい」などイメージしていた仕上がりに応じてきめ細かく露出を調整するのに「露出補正」を使うことで、明るさの微調整をすることができます。

 

Matome2前章で、それぞれホワイトバランスの設定や、ISO感度の設定などカメラ任せにせずに、微調整が出来るようになったと思います。 頭で描いたイメージ通りに撮れるほど、カメラはそれほど賢いものではない! 今度は露出補正機能を使って明るさを操ることを解説しました。 撮りたいと思った風景や被写体を見ただけでどういう露出補正でイメージどおりに撮影するか判断できるようになるには、まず反復して自分のものにしてしまうことです。 最後に重要なことは、設定を変えたら必ず元に戻しておくこと! ホワイトバランスを変えたら最後にオートに『戻す!!』ISO設定を変えたら、まず200程度に『戻す!!』そして、今回の露出補正を上げ下げして撮ったら±0に『戻す!!』 以上をお忘れ無く~♪

次回は、第9章

《 この先もっとカメラを理解するには避けて通れない『露出』を理解する 》

》》》 写真講座のINDEX

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レンジャー前田の写真講座 第2章【画素数】

2章 イメージセンサーって!?
高画素数のカメラホントに必要!?

 

 

前章ではまずは自分にあったカメラ選び!について書きましたが、このカメラ選びに避けては通れないキーワードが『イメージセンサー』、そして『画素数』 前章でも何度か出てきた『イメージセンサー』ですが、それって何!?とよく聞かれます。cmos_

また、カメラの良し悪しを数字で表すメーカーの思惑か、つい高画素ほど良いカメラだ!と考える人が意外に多い… 最近はコンデジやスマホのカメラまでどんどんと高画素に成っていきます。

本当に高画素がいいのか!?…あえて前章でカメラ選びの選択肢に『画素数』を入れなかった理由も今回の講座で理解していただけると思います。

では!この章では、イメージセンサーと、画素数について説明していきます。

 

イメージセンサーとは!?

では、イメージセンサーって何かというと、分かりやすく言えば昔のフィルムカメラのフィルムにあたる部分です。sensor

フィルムカメラの場合レンズから入った光の情報を感光する材料がフィルムで、現像されることにより記録媒体となります。

またデジタルカメラのイメージセンサーの場合レンズから入った光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)がイメージセンサーで、ミラーレスデジタルカメラのレンズを外すと見える玉虫色の四角い部分がイメージセンサーです。

ちなみに一眼レフデジタルカメラだと、まずミラーがまず見えるので、その裏に隠れているのがイメージセンサーです。

フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いの部分ですね。 color

色には染料など色材の3原色(CMY…プリンターのインクなどで使う元色です!)と、光の三原色(RGB…テレビやパソコンモニターなどに使う色)があって、もちろんカメラは光を捉えてイメージセンサーで光の三原色のRGBに変換します。

イメージセンサーにはCCDやCMOSなど他にも種類がありますが、現在CMOSが主流ですので、一般的なCMOSでの中身について簡単に説明します。 sui-do2

右図のようにイメージセンサーの中は円で囲んだ拡大図のようにRGBの集合体で出来ていいます。

大まかにはR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)の4色で1画素と配列されている形のものが多いですが、なぜRGBなのにGが二つ!?ってのは、人間の眼というのはGreenに対して一番敏感だからとも言われています。

 

イメージセンサーは様々な大きさがあります

フィルムカメラの標準の35㎜フィルム(1マスの大きさが24mm×36mm)が、一眼レフカメラの上位機種で多く使われるフルサイズといいます。

k20d_e_0501_l ※ボールペンは、イメージセンサーとのおおよその大きさの比較です。

また、昔フィルムカメラであったアドバンストフォトシステムのフィルム相当の大きさの規格がAPS-Cサイズで、出だしの頃の一眼レフデジタルカメラの標準(製造コストの関係で、フルサイズより小さな形になったと言われています。)の大きさでした。

ちなみにNikonのカメラだとフルサイズを“FX” APS-Cを“DX”とも呼ばれています。

またイメージセンサーの大きさが違うので、同じレンズをつけたとしてもAPS-Cの方が写る範囲(=画角)が狭くなり、たとえば50mmレンズのレンズを付けても約1.5~1.7倍の75mmのレンズ相当(50×1.5=75)の画角になるので望遠レンズ(遠景を大きく)を良く使う人にとってはAPS-Cのイメージセンサーのついたカメラが有効かもしれません。

また、フルサイズやAPS-Cよりも、もっと小さいフォーサーズという規格がコンパクトな一眼レフとして各社で共同開発されたり、さらに小さくミラーレス用にマイクロフォーサーズというも大きさの規格もあります。

もちろん、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるのはさらに小さいイメージセンサー1インチ(13.2mm×8.8mm)2/3型(8.8mm×6.6mm)1/1.63型(7.8mm×5.9mm)1/1.7型(7.6mm×5.7mm)1/2型(6.4mm×4.8mm)1/2.3型(6.2mm×4.6mm)と小さなイメージセンサーもあります。  

 

では、画素数とは!?

先ほどイメージセンサーとは!?の光の三原色で説明したR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)4色の1組が1画素とした場合、例えば下の写真のようにイメージセンサーの横配列に3,000マス、縦配列に2,000マス詰め込まれたイメージセンサーは、3,000×2,000=6,000,0000 というわけで600万画素(6メガピクセル)となるわけです。

 

sui-do5解りやすく言うと、四角い中に600万の画素が縦横に並んでいることになります。 最近ではスマホやコンパクトデジタルカメラまで1,000万画素超の画素数のカメラが当たり前のように主流になってきましたが、実は画素数とイメージセンサーの大きさの関係がとても大事なのです。  

フルサイズ(36mm×24mm)のイメージセンサーと小さな1/2.3型(6.2mm×4.6mm)で同じ画素数とした場合 サッカーグランドほどの畑の中に1000株大根を植えた場合と、畳一畳ほどの面積に大根を1000株植えたとしましょう。

もちろん、畳一畳ほどの面積に植えた1000株の大根大部分は、太陽の光が一本一本に充分に届かず育ちが悪くなったり枯れたりするでしょうね。

また、反対にサッカーグランドほどの畑の中の大根は太陽の光をサンサンと浴びて品質の良い大根になるでしょう(大根が育つには土壌も大事ですが、この場合イメージセンサーの性能が土の品質と考えてみると、解りやすいかもしれません)

大小様々なイメージセンサーも同じように考えると、どんどん高画素化競争となっているカメラメーカーですが、小さなイメージセンサーまでフルサイズなどと同じ高画素数にする必要性は本当にあるんでしょうか・・・!?

イメージセンサー1画素1画素に当たる光の量が減少することになるので、感度という面で見れば高画素化が悪影響を起こして、画像の品質が返って落ちてしまうことにもなります。

これを補正するため、信号を増幅しなくてはならない。そうすると信号だけではなくノイズをも増幅することになってしまう。

いわゆる「s/n比の悪化」が起きてしまうのです。  

 

度を過ぎた高画素競争がなぜ無駄なのか!? 
なぜ高画素に執着する必要性がないのか
!?

皆さんは、デジタルカメラで撮った写真をどのようにしてご覧になるでしょう!?

プリント屋さんや、プリンターで印刷するときもあれば、パソコンやスマホなどで観るときも また、ブログやホームページ用として使う場合もありますが、実際どれぐらいの画素数がいるのか説明します。

①まず、撮った写真をプリントするとして!

一般に人間の目では約250dpi(ドットパーインチ、1インチの幅の中に250ドットが並ぶ)以上の画像解像度なら画像のギザギザ(ジャギー)は確認できないとされていますが、広告やチラシなどを作る時の印刷業界のお約束として300~350dpiの画像解像度が必要とされています。

またそれ以上は人の眼で確認できなかったり逆に色にじみの原因にもなるとされていますので、L判サイズ(89mm✕127mm)に300dpiで印刷するとした場合、1051ピクセル ✕ 1500ピクセルで実は150万画素しか要らないのです

写真プリントとしては大きめなA4サイズいっぱいに写真を300dpiでしても870万画素ほどで充分ですし、A3サイズでも十分綺麗です・・・でも…最近の機種では、もう1000万画素以上の時代ですが 

下の表は、プリントサイズやパソコンなど液晶モニターで見るに充分な対応表です 

tec@4s@-1

※表の見方 左縦列の画素数に対して右の矢印が標準紙300~350dpiの画像解像度あたりでの充分な範囲と、右端列の液晶モニターで見るに足る画素数です(クリックで大きく見れます)

②パソコン画面や液晶テレビで画像を観る場合

パソコンのモニターに表示される『1ピクセル』を画像の『1画素』と考えた場合、汎用のパソコンモニター19インチで1280 × 1024pixelで、画面一杯に画像を広げた見えかけの大きさは130万画素分ほどにしか観ることが出来ません。

フルハイビジョンの4倍の画素数の4Kで800万画素が画面のフルとして見え、私が編集で使っているiMac retinaの5Kで、やっと1475万画素の表示です。

今や1500万画素以上のカメラはコンパクトデジタルカメラでも普通になってきていますよね

なので200万画素の写真も、1625万画素のカメラで写した写真も、同じ大きさでなら画面での見え方は同じになると言う訳です。

 

10-2 10-1

 

上の写真の花は、1625万画素のカメラで撮ったものと200万画素に落とした物ですが、円の中の拡大した画像ではピクセルは200万画素の方がギザギザ(ジャギー)があって荒いですが全体で見ると、高画素も低画素もモニターで観るには全然変わらなく見えることがわかります。

③ブログやホームページ用として

例えば、このサイトの本文の幅は、いっぱいに写真を広げても700ピクセルの横幅です。 それを画素数に換算してみると4対3の一般的な縦横比の写真で、なんと…33万画素足らずしか要りません。

クリックしたときに、大きなサイズで見てもらおうとしても、上記の表を見てもわかるとおり、そんなに画素数は要らないんですよね


さぁ、いかがでしょう!?

ポスター以上の大きさにプリントしたい!とかパソコンでどんどん拡大していって見たい!という利用をする方でしたら、高画素をおすすめします・・・が!

また、高画素な写真は、画像のデータもどんどん大きくなるので、パソコンの容量不足を生んだり、画像を見る表示時間がかかったりすることもあります。

カメラメーカーの高画素化競争で、それが性能かと迷われるかもしれませんが、カメラ選びにとって一般的には高画素には、こだわる必要もないのが理解できたことでしょう。

イメージセンサーと画素数、カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでも大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番重要かもしれません。

 

Matome2イメージセンサーと画素数につい、少し理解いただけたかと思います。

カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでもカメラメーカーの高画素数競争に巻き込まれず、大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番綺麗で背景のボケ味のある写真を撮れるという選択をおすすめします。

 

次回は、第3章  《手振れ!?ピンボケ!? ぼやけた写真には他に原因が!!! 》します

《《《 写真講座のINDEX

 

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