あれ!? 撮ったら見た目と色が全然違う…
ホワイトバランスを考える!
あれ!? 撮ったら写真が見た目と色が全然違う…
撮った写真を見てそんなこと感じたことはありませんか!?
写真は見たままの色に写るとは限りません。
私たちが見ている色は、光源を見た時か光で照らし出された物を見たとき光の反射で色を感じています。
また同じ色の物を見ていても光には色温度があるので、例えば太陽の下で見た白い紙が夕陽に当たっている時、蛍光灯の下、電球の下で見た時で若干色が違って見えます。
もちろん、デジタルカメラもレンズから入った光をR G Bの電気信号に変えるので、光の温度から違って見える『色』を、白い物は白に見えるようにホワイトバランスを使って補正します
◉ 色温度って?
太陽や蛍光灯、電球やLEDなどの光源の色合いは、色温度で表され、光の色を数値で表します。( 単位:K ケルビン )
光源自体の温度が高い低いとではなく、光の色を人間の目に見える感覚に置き換えて表した数値のことで、一般的に昼間の太陽光(中間色)は 5500K、白熱電球は 3500~3000K 雪山など、紫外線も強い太陽下は7000~8000Kなどといわれています。
ロウソクだけの部屋など低いと赤っぽく見え、晴天の雪山など色温度が高いと青っぽく見えるのです。
◉ では、ホワイトバランスって!?
人間の目(視覚)は、自然光の下でも、電球や蛍光灯の光の下でも、色味を頭の中でさっぴいて白い色は白と認識するのですが、厳密には光には色温度があるため光によって青っぽく見えたり、赤っぽく見えたりしています。
光に敏感なデジタルカメラでは光の色の違いをそのまま出力するため、被写体に当たる光の種類に応じて変わる色味を調整して、白いものをより白に近い色(白やグレー、黒など無彩色を無彩色に)に近づける機能をホワイトバランスと言います。
◉ なぜ、ホワイトバランスが必要か!?
普段私たちSTUDIO MODEL K’sは商品撮影もしていますが、お客様から預かった商品の色が違っていたとしましょう。 商品の色が違うということは、プロとしても致命的なことです。
写真を見たお客様が、その商品を購入したとします。その商品の色が、写真で見たものと違う!!!(ネット通販等、よくあることですが)
もちろん真ん中の写真が正常な赤いネクタイを撮影した商品写真です。
左側は、少しオレンジがかったネクタイに見えます。また右側は、少し紫がかっています。
では、背景の白いシート(影の部分のグレーが見分けやすい)を見てみましょう。
正常な設定で撮影した時のシートは全くの無彩色です。
しかし、左は少しオレンジがかった白になり、右は少しブルーがかった白になります。
元が完全な無彩色の白いシートの場合、この白を、限りなく白に近づけると元の色に近づいていきます。
(ネクタイ背景の白い部分も、左右の写真は、左は黄色みをおび、右側は青白っぽく見えるのがわかります)
そのため、私たちは撮影にカラーチャート(左画像の24色のカード)を持ち込み色を忠実に合わせて行きます。またパソコンのモニターの色も合わせます(カラーマネジメント)。
今度は下に、もし電球色で色がかぶった場合と、蛍光灯で色がかぶった場合を表現してみます。
なぜ、それぞれの写真の右上にカラーチャートをつけているかと言いますと、24色1番下の段の白から黒への無彩色が、オレンジがかった写真は無彩色までもオレンジに被り、青みがかった写真のカラーチャートは、青く無彩色に色が被っているのがお分かり頂けるとおもいます。
また、それぞれ正常なカラーチャートに比べ、他の色味まで変わっているのが見ても解ります。
もちろん、みなさんが撮った写真も同じこと!そのために色を合わせたり、逆にホワイトバランスを利用して思い思いのイメージに写真を色付けすることもできます。
◉ では、お持ちのカメラのホワイトバランス設定の場所を探しましょう。
まずは、みなさんお持ちのカメラのどこにホワイトバランスの設定モードがあるのか確認して見ましょう。各カメラメーカーやカメラの機種ごと様々なので、説明書を見ながら確認してくださいね。
お手持ちのカメラの設定を探してくださいね!
一般的に入っているホワイトバランスの項目です。
PRE…プリセットについては、この章の最後に解説します。
ホワイトバランスを変えると!
写真は赤っぽくなるか青っぽくなります(適切に設定していれば見た目と同じ色に見えます) 普段よく変更する項目なので、大抵の機種は解りやすい場所にあり、ボタン1つか2つくらい押せば出てくる項目です。
意図的に、ホワイトバランスを変えて撮ってみる
例えば、電球の光は、オレンジっぽく写るので、ホワイトバランス電球にすると青みの補正をして、見た目に近づける。
また、晴天日影の光など青っぽく写るので、ホワイトバランスを晴天日影にすると、オレンジの補正をするので見た目につか付ける そのホワイトバランスを色変えフィルターのように、電球のホワイトバランス設定で撮ると青く写り、晴天日影のホワイトバランス設定で撮ると、同じ写真がオレンジっぽく写ることになるんですね!
⇦左写真は、ほぼ見たままにホワイトバランスを合わせた作例です。 ホワイトバランスをオート以外の電球や晴天日陰など設定にすることで、意図的に赤味を増したり、青味を増したりするなど、イメージにあった色味の写真にすることもできます。 |
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⇦左写真は、ホワイトバランスを電灯で撮った場合の作例です。 寒色系のイメージは、少し冷たい感じもしますが、爽やかで透明感のある写真になります。 少し明るめに撮ることがさらにイメージをあげてくれます。(露出補正の項目で、また説明します。) |
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⇦左写真は、ホワイトバランスを晴天日陰で撮った場合の作例です。 ホワイトバランスを意図的に変えることで、夕方の景色のようなイメージで、また違った印象を表現できます。 夕陽を撮る時など、さらに赤みがまして、オレンジに輝く街並みもさらに強調できます。 |
◉ PRE(プリセット) ホワイトバランスをマニュアルで合わす。
蛍光灯やハロゲンや電球など、光源がいろいろ混じっている場合など、カメラのホワイトバランス設定を合わしても、色がうまく決まらない時があります。
そんなときPRE(プリセット)にして、市販の無彩色のグレーカードや、専用グレーカードがなくても白いノートや無彩色のグレーの紙を撮って、色温度を合わす方法があります。
メーカーや機種によって手法は違いますので、マニュアルをまずは見てみてくださいね!
<<以下に?市販のホワイトバランスを合わせるカードやレンズドームをリンクします。>>
カメラ選びから、構図、背景に続いての今回のホワイトバランス カメラを見たままの色に撮りたい時、また意図的にホワイトバランスを変えて、夕陽や夕方の色イメージに強調したり、幻想的で爽やかな色に変えたりと、また一段と写真が自分の思いに近づくようなイメージができたとおもいます。 まずは、お手持ちのカメラのホワイトバランスの設定する場所を見つけて、部屋の中でも屋外でも、いろいろ試してみることをお勧めします。 使い慣れれば、きっと一段とカメラで撮るのが楽しくなるとおもいます。
撮影依頼などの他にも 学校やサークルなど『レンジャー前田の写真講座』の講義、講習に来て欲しい!などの依頼は喜んで伺いますので、お気軽にお問い合わせください。
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