レンジャー前田の写真講座 第12章【 玉ボケ】

12章

理屈を理解すれば超簡単!!
キラキラの玉ボケ(丸ボケ)を撮ってみる!

 

DSC04699玉ボケ(丸ボケ)とは

写真の背景に柔らかくキラキラした丸い光が、まるでシャボン玉のように浮かんで幻想的なイメージの写真ってありますよね!

木漏れ日や水面のきらめき、イルミネーションなどのいくつもの点光源があるとき、レンズの中の絞りの形にボケて玉状になることを「玉ぼけ(丸ボケ)」といいます。

背景に玉ボケがあると、写真が柔らかいイメージになり、写真に空気感や光のイメージが加算されます。

実は、そんな玉ボケ(丸ボケ)…ボケと名のつくように、要はピンボケ! 理屈さえ覚えれば、簡単に写せるんですね!
レンジャー前田の写真講座 第12章では、そんな玉ボケ(丸ボケ)の撮り方について解説します

玉ボケ(丸ボケ)を作り出すことは、意外と簡単!!・・・ですが、幾つかの条件が必要です。

1. キラキラきらめきゾーンを探し背景に! 【コレが必須】

背景には、点光源のあるシーンを選びましょう。

細かくていくつも点光源があることが、大前提です。

DSC_0521 KUN_71961 SMK_6049
逆光からの木の葉からの木漏れ日 海や川など水面に太陽の反射のきらめきがある場所 沢山の木の葉が太陽の反射でキラキラしているシーン
DSC0359 DSC02022-1 SMK_6661
葉についた水滴に光が反射したシーン イルミネーションの電球など細かくていくつも点光源 夕陽や朝陽の反射

まずは、被写体の背景に水面のきらめき、や葉についた水滴に光が反射したシーン、イルミネーションの電球など細かくていくつも点光源があることが、大前提です。

 

2. 大きなイメージセンサー・明るいレンズが有利!

cmos_

実は、センサーが大きいほど柔らかいボケが創れる!

デジタル一眼のように、まずは撮像素子(イメージセンサー)が大きくてレンズが明るい(解放F値が小さい)ほど有利で、大きく玉ボケを創れる

マニュアルでピント位置を合わせられるタイプ、コンデジでもマクロモードなどが、より手前にピントが合い、背景がボケやすいのでオススメです。

 

3. 広角より中望遠の方が大きな玉ボケが出来る!
KUN_7057 KUN_7057 のコピー
広角レンズの画角 望遠レンズの画角

レンズの焦点距離が、広角より望遠ほど背景が大きくボカせられます。

広角レンズに比べて,望遠寄りのレンズの方が,被写界深度が浅くなるため、玉ボケになる背景の条件が揃えば、大きな玉ボケになります。

また、普通のレンズより近くにピントが合いやすいマクロレンズの方が大きく玉ボケを創れます。

しかし、あまり望遠だと画角が狭くなりすぎ、背景となる部分の範囲が狭くなるのでより多くの玉ボケを背景に映し出すことには適さず、中望遠と呼ばれる標準レンズ 50mm(35mm判)から 100mm(35mm判)程度が綺麗に背景に入り込みます。

 

4. 出来る限り絞りを開けて撮る!

suido9-1左図の左側のように、レンズの絞りを開ける(F2.8など最小絞り)に近づけるほど大きな玉ボケ(丸ボケ)が出来ます。

しかし!! ただ開けるといいというものではなく

慣れていくにつれ、絞りで玉ボケの大きさを調整してその場のイメージを創ることもできます。

コツはレンズやカメラ本体のスイッチをマニュアルフォーカスにして点光源にレンズを向け、手動でレンズのピント位置を遠くから徐々に近くに向けて動かしていくと、「あっ!これが玉ボケかぁ」って解ります

 

5. 被写体をより手前に! 背景は遠ざける! がポイント

被写体を置く場合は、出来るだけピントを合わす対象物を近づけ、さらに被写体と背景を遠ざけると大きく玉ボケを創れます。

Hishatai-2

Hishatai-1

 

また玉ボケ(丸ボケ)のみを撮る場合は、点光源の背景にピントを最短付近に持ってくると大きく玉ボケを創ることができます。

玉ボケが発生するのは、点光源がカメラの被写界深度(ピントがおおよそ合っている範囲)から大きく外れたときです。『被写体を近くに、点光源の背景を遠ざける!』

玉ボケ(丸ボケ)=点光源のある背景のピンボケ と考えるとわかりやすいですね。

 

6. コントラストの強い背景を選ぶ!

KUN_7669逆光時の藪の中に光る木漏れ日や、夜空にイルミネーションなど、『背景が暗い場所に光』という明暗差の大きい(コントラストの大きい)シチュエーションほどハッキリとした玉ボケ(丸ボケ)が創れます。

左画像は、池に写る陽の光の風景をピントが最短付近にした画像が右側の写真

 

では! いろいろな作例でイメージを掴んでみよう!!

レンジャー前田が撮った作例です。

DSC_8723 DSC04699
焦点距離 200mm : F値 4 焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 4
 カブトムシの写真:遠くの木漏れ日  川トンボの写真: 小川のせせらぎのきらめき
DSC05365 DSC06052-1
焦点距離 50mm : F値 2.8 焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 3.2
 グラスの写真 : イルミネーションを背景に  タンポポの写真 : 林の木漏れ日を背景に
KUN_2708 KUN_4734
 焦点距離 50mm : F値 3.2  焦点距離 55mmマクロレンズ : F値 4
 コーヒーカップ : 海に光るきらめきを背景に  紫陽花の写真 : 木漏れ日や他の紫陽花のボケ
MKS_0371 SMK_0441
 焦点距離150mmマクロレンズ : F値 5.6  焦点距離 150mmマクロレンズ : F値 3.2
 蝶の写真 : 葉や花の隙間に溢れるきらめき  シダの写真 : 清流に輝くきらめきを背景に
SMK_4217 写真 2014-06-29 17 57 17
 焦点距離 300mm : F値 8  焦点距離 135mm : F値 3.5
 水たまりに写る桜 : この写真のみ手前の花びらのきらめきで前ボケの玉ボケ! 絞れば花びらをイメージさす小さな玉ボケに  アガパンサスの写真 : 木漏れ日を使い、まるで打ち上げ花火のイメージで!

 

Matome2

F値をコントロールするので撮影モードは絞り優先オート A(Av)で撮ります。

このとき、絞りを解放付近にするため、光源が明るい場合では露出オーバーになることがあるので、シャッタースピードが点滅しているなど注意し、適時ISOを低感度にするなど対応してください。

フォーカスは、オートで撮るのもいいですが、マニュアルフォーカスにして点光源にレンズを向け、レンズのピント位置を遠くから徐々に近くに向けて動かしていき、確認すると「あっ!これが玉ボケかぁ」って解ります

 

次回は、第13章

実は“ローアングル”がポイント
奥行き感や臨場感が生まれる!

》》》 写真講座のINDEX

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レンジャー前田の写真講座 第11章【マクロ写真】

11章マクロな世界を切り撮る!
いろんな手法でマクロ写真を撮ろう!

 

MKS_4143花を撮るときなど、カメラを持てば誰もが一度は撮ってみたいと思うマクロ写真。

コンパクトデジタルカメラにはマクロモードなどが付いていたり、入門用などのデジタル一眼レフにもマクロモードがあります。
しかし一眼レフやミラーレスなどで本格的にマクロ撮影をするには、マクロレンズ(Nikonではマイクロレンズと呼称)で撮るのが一般的。
本章では、デジタル一眼レフやミラーレスなどマクロレンズでの撮り方をはじめ、高価なマクロレンズを購入しなくても本格的なマクロ撮影が出来る方法もご紹介します。

 

・・まず、本章ではコンデジなど、マクロモードについては、以下の説明程度にします・・
コンパクトデジタルカメラのマクロモードとは!?

 url

マクロ表記

近接でも焦点が合い、大きな倍率で撮れる一眼レフカメラのマクロレンズとは違い、コンデジのマクロモードは接写してピントが合う設定です。
被写体との距離が近すぎて焦点が合わない場合、マクロモードにすることで接写撮影が可能になるのですが…逆にその設定のままだと風景などを撮るときにピントが合わないので要注意!! 撮った後は必ず戻すコト 
入門用デジタル一眼レフカメラなどについているマクロモードとは!?
一部のデジタル一眼レフにもマクロモード(クローズアップモード)というのがありまが、付けているレンズがマクロなるというコトでは無く、マクロに適した設定、カラーモードになる程度で、接写が出来るとか、マクロレンズのように大きく写せるわけではありません。
第11章では、マクロレンズや、以下の方法でのマクロ撮影を解説します    
標準レンズ50mmでの例 マクロフィルター No1. マクロフィルター No3. マクロレンズ 50mm リバースアダプター
KUN_7604 KUN_7605 KUN_7608 KUN_7611 KUN_7623

① マクロレンズ(Nikonではマイクロレンズと呼称)   ¥50,000~¥150,000程度

003

マクロレンズは、普通のレンズと大きく違うのは“撮影倍率”“最短撮影距離”が出来るレンズです

一眼レフカメラ用やミラーレスカメラ用など,各社様々な焦点距離のレンズがあります。

flower2

“撮影倍率(投影倍率)”とは

「最短距離で撮った被写体が、どれだけ大きく写るか?」ということを「数字(倍率)」で表したものです。
一般レンズでは「0.18倍」や「0.25倍」などの値が、マクロレンズでは「0.5倍」とか「0.75倍」で、被写体が写る大きさが1(等倍)や1/1.33倍になります。
倍率の表記は、数字が上がるにつれ被写体を大きく写すことができるのです。
ちなみに、0.25倍はセンサーに写る大きさは25%ほどの大きさに写り、1倍では、等倍 近づいて見た通りの大きさに写るというコトです。

Shoot3

“最短撮影距離”とは

レンズを通して撮像素子(イメージセンサー)から被写体にピントが最短で合う距離を指します。
マクロレンズはこれが短いのが特徴ですが、標準マクロレンズよりは望遠マクロレンズの方が最短撮影距離は長くなります。
マクロレンズは普通のレンズより被写体により寄れて、しかも撮影倍率が大きいので、花など拡大して撮れるのです。

マクロレンズにも焦点距離ごとに50mm、70mm、90mm、105mm、150mm、180mmなどがありますが、倍率が同じ場合、写せる大きさは同じです。
しかし、被写界深度の深い50mmなどの広角と被写界深度の浅い150mmなどの望遠レンズでは、マクロではさらに浅くなるので背景を単なる色として捉えるには望遠マクロレンズが適していて、50mmなど標準系では近接の被写体と背景をシーンとして捉えるという違いがあります。

MKS_4088

 ここがポイント! 
標準レンズに比べAF(オートフォーカス)でピントが合いにくいので、マニュアルでピントを合わせるのがおすすめです。

<< ?各社マクロレンズ比較にリンクしました。>>


 

② マクロフィルター(クローズアップレンズ) ¥2,000~¥8,000程度

filter

手持ちのレンズの前面にねじ込むだけで簡単にマクロ写真が撮れるのがマクロフィルター(クローズアップレンズ)

利点は,比較的安価で、何と言っても手軽に持ち運べるコト!
手持ちのレンズの最短撮影距離を、フィルターを付けるだけでさらに被写体に近づいて接写撮影を楽しむことができます。
他のフィルターと違い透明な凸レンズのマクロフィルターは露出倍数が変わらず、シャッタースピードが変わらないのもメリット。
マクロフィルターにはNO.1からNO.10まであり、NO数値が大きいほど倍率が高くなります。
しかし、すべての品番を買う必要も無く、まずは比較的使い易いNO.2辺りがおすすめで、他もNO.3などを購入すれば 2枚合わせて倍率をさらに上げるコトもできます。(広角レンズなどは二枚重ねの場合ケラレ※が生じることがあります)

※ケラレ・・・フィルター枠が画面の四隅に写り込んで四隅が黒ずんてしまうこと

フィルターNoにより倍率が違います。
種類 各フィルターの焦点距離 像倍率(約) マクロフィルター使用イメージ
NO.1 (約) 100cm 1/20-1/6.5 SMK_4124-1
NO.2 (約) 50cm 1/10-1/5 SMK_4124-3
NO.3 (約) 30cm 1/6.7-1/4 SMK_4124-4
NO.4 (約) 25cm 1/5-1/3 SMK_4124-4
NO.10  (約) 10cm 1/2-1/1.6 SMK_4124-5

 ここがポイント! 
ピントの合う距離が近接の短い範囲だけで、被写界深度が極端に浅くなるのが欠点のマクロフィルター
レンズはMF(マニュアルフォーカス)の状態で、被写体にぐっと近づき、ゆっくり遠ざけて行き、ピントの合う場所を見つけるのが、ピント合わせの早道です。
またレンズが各種あるときは、大きめの物を購入し、ステップダウンリングで対応出来ます。

<< マクロフィルターのリンクです! >>


 

③ リバースアダプター ¥1,500~¥2,000円前後

費用対効果が大で,扱いにくいが一番拡大効果も出る方法です!

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レンズを逆向きにカメラ本体に取り付け、等倍以上の高倍率接写を簡単に行なう接写法です!

リバースアダプターはレンズ前のフィルター部分にカメラマウントの付いたリバースアダプター(リバースリング)をねじ込む事により、カメラマウントに取り付けるコトが出来ます。

また、もう片方のレンズの後ろ、マウントに取り付ける部分にも枠を取り付ける事が出来、フィルターネジ(オス径)が切ってあるので、レンズ保護フィルターを取り付ける事が出来ます。
標準系ズームレンズでは焦点距離を変えると、数10cm~数cmの距離で、等倍~2倍の拡大撮影が可能となります。

reverse2のコピー
●レンズの電気接点が無効になるのでマニュアル露出での使用となります。
●同じくピント合わせもマニュアルフォーカスのみとなります。
●レンズ枠が52mm推奨で、その他のレンズの場合ステップアップ等の組合せで各種の撮影レンズに取付可能。
●広角レンズほど拡大効果が高いので、望遠系のレンズは不向きです。
●鏡筒の太いレンズは、マウント部に当たる場合があるので、おすすめ出来ません。
●カメラ側で絞り調整が出来ないので絞り環のあるオールドタイプのレンズがおすすめで

MKS_4019-3 MKS_4019-4
倍率1倍 倍率2倍

 ここがポイント! 
レンズがない輪の状態の接写リングは、比較的安価で買えるので費用対効果抜群!
そして、拡大効果もマクロレンズ以上で等倍から二倍にまで写せるので、簡単に試せますね。
しかし、レンズを逆さまにするので電気接点が使えず、マニュアルフォーカス、マニュアル露出となります。
マクロフィルターと同様に、被写体にまずグッと近づけて、徐々に遠ざけて行きピントを合わすようにします。

<<< ?のリンクは、各社のリバースアダプターです。ご参考に! >>>


 

④ 中間リング(接写リング又はエクステンション・チューブ) ¥1,000 ~¥8,000 程

カメラ本体とレンズとの間に装着して、レンズ単体の最短撮影距離の状態からレンズの光学系をさらに繰り出した状態にすることで最短撮影距離を縮めるコトができる。リング

接写リングが長いければ長いほど、より被写体に接近して撮影することができ、リングを組み合わせて長くして使用することもできるものです。

 

中間ring2

この普通のレンズの撮影倍率を変化させ接写できるようにする仕組みには、他にも
“ベローズ”というものがあり、カメラボディーとレンズの間に装着して、ジャバラの繰り出しによって無段階に倍率を変化させるものがありますが、¥10,000~数十万と高価になり、持ち運びにも適していないので、一般では、特に費用対効果がないかもしれません。

<<< ?のリンクは、各社の中間リング(エクステンションチューブ)です >>>


 

Matome2マクロレンズは、マクロ撮影だけで無く風景やスナップにも使え、比較的F値の明るいレンズが揃っているので,一本は持っていたいもんですね!

マクロフィルターは、薄いので持ち運びにも便利で、露出計数も変わらないので便利です。

下に再度、すべて同じ焦点距離での撮り比べの表を載せますが,費用対効果がダントツなのは,リバースアダプター!
しかし、AFやAEが使えないのが欠点です。

撮影手法 絞り値 &
撮影距離

卓上の小さなサボテンの撮り比べ
した画像の腕時計は大きさ比較

普通のレンズ 50mmの場合

JAA015DA_01

F4

最短撮影距離
( 約46cm )

KUN_7604

普通のレンズ 50mmに

マクロフィルター No1

filter

F4

最短撮影距離
(約39cm )

KUN_7605

普通のレンズ 50mmに

マクロフィルター No2

filter

F4

最短撮影距離
(約30cm )

KUN_7606

普通のレンズ 50mmに

マクロフィルター No3

filter

F4

最短撮影距離
(約28cm )

KUN_7608

マクロレンズ 50mm

003

F4

最短撮影距離
( 約25cm )

KUN_7611

リバースアダプター
普通のレンズ 50mmに装着

FPW00202_01

 

 F11

最短撮影距離
( 約19cm )

KUN_7623

リバースアダプター
普通のレンズ 24mmに装着

リバースアダプターは、
広角レンズほど,
拡大高価が出るのが分かります

 

 F11

最短撮影距離
( 約12cm )

KUN_7628

次回は、第12章

理屈を理解すれば超簡単!!
キラキラの玉ボケ(丸ボケ)を撮ってみる!

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レンジャー前田の写真講座 第9章【カメラの露出】

9章この先もっとカメラを理解するには避けて通れない
カメラの“きほん”『露出!』を理解する

 

第6章では、『ホワイトバランス』を自分で変えるようになりました。

第7章では『ISO感度』を自分で制御する! 絞り!?そして、前回の第8章では『露出補正』を活用して、写真の明るさをコントロール出来るようにと説明しました。 実はホワイトバランスを除いて『ISO感度』『露出補正』は大きく『露出』に関係します。

『シャッタースピード』とは!?『レンズの絞り・F値』って!? 今回は最初に説明したかった…でもちょっとややこしい…しかし理解すれば思い通りにカメラを使いこなせる。今回は、そんな『露出』について説明します。

 

私の講座でも初めのうち、この『露出』の説明を最初の方でしていました。

これが頭では理解しても、なかなか頭に叩き込むまでは次に進んでも余計にややこしくなるみたいで、最近は、まずカメラ本体に付いているホワイトバランス、ISO、露出補正などの機能から説明してるんですね。

このWEB版写真講座でも、第9章で、ようやく『露出』について説明します第2章でも説明しましたが、フィルムカメラもデジタルカメラも、レンズから入った光の情報をフィルムで感光するか、レンズから入った光をイメージセンサーで捉えて被写体を写し出します。

『露出』とは、そのレンズから入ってくる『光』の強さが『シャッタースピード』と『レンズの絞り・F値』の二つに関係するものなんです

わかりやすく説明していくために、この講座では、光の情報とレンズとカメラ本体を下記のように置き換えて説明していきます。

  水道とコップ

太陽の光や、照明などの光に照らされた被写体の情報 水道の水圧
光の情報を捉えるカメラ本体の中のイメージセンサー(図の緑の部分) コップ
レンズと絞りを(レンズなどに組み込まれている光の通る道の径を調整する窓) 水道の蛇口とハンドル(水栓またはカラン)

とします。  

 

①シャッタースピードとは!?

水道の水圧として考える!(絞り一定として)

suido2. 水圧(光の強さ)が強いと 水がコップに早く入る = シャッタースピードが早い

水圧(光の強さ)が弱いと コップに入る時間が長くなる = シャッタースピードが遅い

※ つまり光(水圧)が強いほどシャッタースピードが早くなります。(コップがすぐに一杯になる)

 

 

②絞りとは? 

絞りとは 水の出る量(光の入る量)を調整しますsuido2.のコピー

◉ カランを開ける(カメラの絞りを開ける)と 水がコップに早く入る = シャッタースピードが早い 光が入りやすいため短時間に多くの光を取り込める

◉ カランを締めていく(絞りを絞っていく)と コップに入る時間が長くなる = シャッタースピードが遅い 同じ量の光を取り込むために時間が多めにかかる

※ つまり絞り(カラン)を開けるほどシャッタースピードが早くなります。(コップがすぐに一杯になる) この上の二つの画像で、まずシャッタースピードと絞りの大体の理屈はご理解いただけたかと思います。

水圧(光の情報)が多いとシャッタースピードが早くなりますが、蛇口のカランを(絞り)を絞って行くにつれ、シャッタースピードは遅くなっていくので、この『シャッタースピード』と『絞り』には、関連性があるということがわかります。


しかし、いくら露出を理解したからといって、カメラの露出設定をオートのままとか、シーンモードなどのままではカメラを操れません。mode2

ほとんどのカメラに『マニュアル設定(M)表記』『絞り優先(A)や(AW)表記』『シャッタースピード優先(S)や(TW)表記』などのモードがあり、それで、シャッタースピードや絞りを調整できます。スマホのカメラアプリでもシャッタースピードと絞りを操れるアプリも色々出ていますので、ぜひ試してみましょう。

  また、シャッター速度を設定するダイヤルや、絞りを設定するダイヤルがどこにあるのか!? これも、カメラメーカー各社や、コンデジから一眼レフまで場所は様々ですのでの、まずはお手持ちのカメラのマニュアルなどでどこにダイヤルがあるか探してみてください。

これを覚えるて使い慣れると、頭の中で描いたイメージ通りの写真が、きっと撮れるようになりますよ!  

 

では、シャッタースピードを操ると何が変わるか!? 

KUN_61601 KUN_61621

上の二枚の写真は、同じ場所、ほぼ同じ時間帯に意図的にシャッタースピードを変えて撮った写真です

左は、波の流れる1/100秒の瞬間が写っています。

また右は2秒の間シャッターが開いている状態で、その間の波の動きが記録されるので、幻想的な水面イメージで写ります。

上の写真は、同じ明るさのシーンでのシャッタースピードの違いで、どう写るか!? ということですが、その時のシャッタースピードを変える手段は、

①シャッタースピードと関係する絞りを変える

シャッタースピードを早くする時は絞りを開けたり、遅くする時は絞ったりする。

②ISO感度を変える。

早くする時は800や1600など高い数値の高感度に、遅くする時は100や200にする。

③レンズにNDフィルター(サングラスのような色の濃いフィルター)を付ける。

NDフィルターを付けると、外光や照明が暗くなったのと同じで光の情報が少なくなるので、シャッタースピードは遅くなる。

 

taki

 

よく川や滝で撮られているような錦糸を流したような撮り方も、このシャッタースピードの違いを利用して撮ります。

コップに注ぐ時間(シャッタースピード)が早いと流れの飛沫までもが瞬間に写り、コップに注ぐ時間(シャッタースピード)が遅いほど、錦糸が流れたように写ります。  

 

次に外の明るさが違う時間帯で撮った写真で、シャッタースピードの違いを見てみましょう。

suido1-3 suido1-4

 

夕刻と夜間、同じ飛行場から撮った写真です。

◉ 左の夕刻はまだ光がある時間帯、少しシャッタースピードを早めに撮って飛行機が止まったように写しました。

◉ 右の写真は夜間、飛行機が離陸してからファインダーの外まで飛んでいく間、シャッターを開けているので飛んでいる間の飛行機の明かりが軌跡となって写っています。

このように、シャッタースピードを操れるようになると、「こう撮ってみよう!」「こんなイメージにしたい!」というように、頭の中で描いたイメージ通りに撮れるようになりますよ!  

 

では!絞り(F値)を操ると何が変わるか!?

絞りとはレンズの中に組み込まれている、F1.4、F2、F2.8、F4、F5.6、F8、F11、F16のように表される、光の通る道を広げたり小さくしたりして、光の情報量を調整する仕組みのものです。

suido9-1 絞り値を大きく(F8やF11など)すると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、絞り値を小さく(F1.4やF2.8など)すると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなります。

たとえば、絞り値をF2.8からF4に変えると、レンズを通る光の量は半分に減り、イメージセンサーに届く光の情報も半分の明るさになります。

 

では、絞りをそれぞれ変えたて撮った作例写真を三点紹介します。

hishakai3

赤い矢印の場所のように、水道のカランを開放したような絞り開放近くの写真です。 その分、シャッタースピードが早くなりますので、この写真のように手前の梅の枝付近だけにピントが当たります。  

hishakai2

2枚目の写真は、赤い矢印の場所、絞りの開け方が真ん中あたり(F5.6程度)です。 光の情報が通る穴が狭くなった分、少しシャッタースピードが遅くなりますので、その分だけ手前の梅の枝より後ろにもややピントが合ってきました。  

hishakai

3枚目の写真は、赤い矢印の場所、絞りを一段と絞って撮っています。 そうすると光の情報は、この小さい穴から通るので、水道のカランを締めて、コップの水が入る時間が遅くなっていくのと同じで、シャッタースピードが遅くなり、背景のシルエットまでわかるようになりました。

例えば!

◉目を閉じた状態から、一瞬目を開けて目の前の花瓶の花などを見たら、花だけが映像として脳に記録されます。

◉目を閉じた状態から、3秒ほど目の前の花瓶の花などを見ると、花以外の少し他の情報もぼんやり目に入ってきます。

◉目を閉じた状態から、10秒ほど目の前の花瓶の花などを見ると、背景や周りの情報も目に入ってきます。

※ この3枚の写真のようにピントの合っている奥行きのことを『被写界深度』といいます。 現実にはピントが合うのは一点ですが、ややあっている距離が狭いほど『被写界深度が浅い』、またピントがややあっている距離が広いほど『被写界深度が深い』といいます。  

 

それでは!密接な関係のシャッタースピードと絞りの関係をおさらいです

 

tekisei

光の情報を捉えるカメラ本体の中のイメージセンサー=コップでしたので、コップの水が足りない場合は、黒く潰れた所のある暗い写真『露出アンダー』で、水があふれてしまっているのが白く飛んでしまっている写真『露出オーバー』の状態をあらわしたものです。

シャッタースピードと絞りの関係が、どちらもコップちょうどに入っている『適正露出』とした場合! 下の図のように表の上の段、絞りの数値と、表の下の段、シャッタースピードの数値関係は比例します。

  suido12  

上の図解では、蛇口のカランを開け切った状態(F1.4)の時、コップに早く水が入り、締めて行くに従ってコップを満たす時間が少なくなる・・・シャッタースピードと絞りの関係 しかし、この比例する数値は絞りがF1.4の時シャッタースピードは1/4000とか決まっているわけではなく、光の量によって変わります。

 

 

suido12-4

 

例えば、暗い場合(光の量が少ない)とF1.4の時シャッタースピードは1/15のように変わるし    明るい外光や、明るい室内の場合(光の量が多い)とF1.4の時シャッタースピードは1/4000のように早くなります。

 

suido125

 

では!外光が暗い、また室内が暗いのに、絞りを絞りつつもシャッタースピードを上げたいとか、外光が明るい、また室内が明るいけど、絞り開放付近にして、背景をぼかしたい時はどうするかというと、第7章で説明した『ISO感度』があります。 感度  

それを水道とコップに表すと、こうなります。

そして『露出補正』は、ISOが一定で、モードが『絞り優先』の時に、シャッタースピードを変えたり、『シャッタースピード優先』の時に絞り値(F値)を変えてくれます。

今回説明しました『露出』の関係を理解すれば、あらゆるシーンに出くわした時、あなたが、「こう撮ってやろう」「こんな感じに撮りたい」とカメラに指示したとおりに映し出してくれますよ! ぜひ、シャッタースピードを上げて噴水の水の瞬間を止めて撮りたいとか、清流の流れを錦糸が流れているように撮ってやろうなど、試してください。

 

SMK_0926 SMK_2961

 

Matome2これで、『露出』には『シャッタースピード』『絞り』『露出補正』『ISO感度』が絡み合って関係しているのが、おおよそ理解してもらったかと思います。 なかなか頭の中で理解しても、実際「シャッタースピードを上げて瞬間を撮ってやる!」とか、「絞りを開けて背景のぼけた写真を撮ってやる!」と思っても初めのうちは頭がこんがらがるのも無理はありません。(実際私も初めのうちは「どうやったっけ!?」と考えたり、当社のスタッフも初めのうちは迷っています) これも、反復していくうちに、きっとあなたも、思い通りの写真が撮れるようになりますよ!

次回は、第10章

夜景や星空、花火の撮り方!
露出を理解すれば、夜景も思い通りに!

 

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『レンジャー前田の写真講座の著作権について!』 この講座に掲載しているテキスト、オリジナル写真やオリジナルCGなど全てのコンテンツの著作権は、STUDIO MODEL K’sまたはレンジャー前田に帰属します。 当 写真講座に掲示するコンテンツの全部又は一部を、事前の承諾なしに、転載、コピー、出版等その他著作権等を侵害する行為を自ら、また第三者に行わせることも一切できません。 またリンクについて、当サイトはリンクフリーですが、予告なくページの追加、変更または削除することがありますので、予めご了承ください。  

レンジャー前田の写真講座 《 INDEX 》

こんにちは!
写真家講師としても活躍しているレンジャー前田です。

290毎年堺自由の泉大学で写真の特別講座を開催するなど各地各主催者の依頼など数多くの写真の撮り方、カメラについての講座や講演等も開催させていただいております。

そこで、いつも会場でのスライドショーでしている内容や、オリジナル素材を使っての写真講座の解説内容を、153 『WEB版!レンジャー前田のカメラ講座』として、遠くて参加できない方やこのサイトのボリュームをあげるためにも開催することになりました。

各章に分けて出来るだけアマチュアな方にも分かりやすく順を追って解説していけたらと思います。 

・カメラを買いたい! ・もっと綺麗に撮りたい!・一眼レフを買ったがいまひとつ設定がわからず上手く撮れない!

っというアナタ 是非!この『WEB版!レンジャー前田のカメラ講座』を参考にしていただければ、幸いです。  

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レンジャー前田の写真講座 《 INDEX 》 
1章自分にあったカメラ選び!これで解決!!!

どんなカメラで撮るか!? ポイントはその人それぞれのライフスタイルや、何を撮りたいか!? カメラの種類ごとの特徴や特性を上げて説明していきます。

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2章イメージセンサーって!? 高画素数のカメラホントに必要!?

高画素が本当に良いカメラなのか!? この章では、イメージセンサーって何!?、画素数とは!?について説明していきます。

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3章手ぶれ!?ピンボケ!? ぼやけた写真…実は他に原因が!!

なぜ手ぶれやボケた写真が写ってしまうのか!?第3章で、原因がわかれば、きっと解決しることでしょう!

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4章写真の構図!アングルを少し変えるだけで【写真】が【作品】に!

構えたカメラを少し右に振るだけ、少しローアングルで撮っただけで写真に奥行きが出たり臨場感が生まれたりします。

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5章背景が重要!背景が写真の主役を引き立ててくれる!!

被写体の背景はどうなってるか!?あらゆる角度から背景を見つめ直し、少し回り込むだけで素敵な写真が生まれ変わります。

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6章あれ!? 撮ったら見た目と色が全然違う…ホワイトバランス

撮った写真を見てそんなこと感じたことはありませんか!? 写真は見たままの色に写るとは限りません。 

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7章 カメラの感度オートのまま?? それもったいないやろ~…ISO感度

ISO設定がオートのままじゃ暗い場所で撮った写真などノイズがひどく、また背景をぼかしたいと思っても上手くボケてくれない。 

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8章 あれ!? 撮ったら見た目より暗く写ってしまう…露出補正

露出補正機能を使えば、簡単に写真の明るい、暗いを調整できるのです。今回は、その仕組みなどを解説していきます。 

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9章この先もっとカメラを理解するには避けて通れない『露出』を理解する

『シャッタースピード』とは!?『レンズの絞り・F値』って!?今回は『露出』について説明します。 

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10章夜景や星空、花火の撮り方!
露出を理解すれば、夜景も思い通りに!

ISOもホワイトバランスも露出だって、カメラ任せにしないで夜景も打ち上げ花火も星空も イメージ通りに撮ろう! 

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 11章マクロな世界を切り撮る!
いろんな手法でマクロ写真を撮ろう!

一眼レフやミラーレスなどマクロレンズでの撮り方や、マクロレンズ以外でも本格的なマクロ撮影が出来る方法を解説します

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12章理屈を理解すれば超簡単!!キラキラの玉ボケ(丸ボケ)を撮ってみる 

 

玉ボケ(丸ボケ)…理屈さえ覚えれば、簡単に写せるんですね!柔らかいイメージになる玉ボケの撮り方について解説します。

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13章

奥行き感や臨場感を生む!実は“ローアングル”がポイント

少し低姿勢で撮るだけで風景に遠近感が増したり、子供やペットの目の高さに合わせてあげるだけでガラッと写真のイメージが変わります。

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pc4第14章は、ただいま執筆中です。 

おたのしみにぃ~~

Ranger フォーム

                  ********************************************************************************* 『レンジャー前田の写真講座の著作権について!』 この講座に掲載しているテキスト、写真やCG、デザイン等の画像など全てのコンテンツの著作権および、その他知的財産権は、STUDIO MODEL K’sまたはレンジャー前田に帰属します。 したがいまして、ユーザーは、STUDIO MODEL K’sのサイトより掲示するコンテンツの全部又は一部を、当サイトの事前の承諾なしに、転載、コピー、出版等その他著作権等を侵害する行為を、自ら行うことはできず、また第三者に行わせることも一切できません。 リンクについて 当 サイトはリンクフリーです。ただし、予告なくページの追加、変更、改訂、または削除することがありますので、予めご了承ください。 *********************************************************************************

レンジャー前田の写真講座 第2章【画素数】

2章 イメージセンサーって!?
高画素数のカメラホントに必要!?

 

 

前章ではまずは自分にあったカメラ選び!について書きましたが、このカメラ選びに避けては通れないキーワードが『イメージセンサー』、そして『画素数』 前章でも何度か出てきた『イメージセンサー』ですが、それって何!?とよく聞かれます。cmos_

また、カメラの良し悪しを数字で表すメーカーの思惑か、つい高画素ほど良いカメラだ!と考える人が意外に多い… 最近はコンデジやスマホのカメラまでどんどんと高画素に成っていきます。

本当に高画素がいいのか!?…あえて前章でカメラ選びの選択肢に『画素数』を入れなかった理由も今回の講座で理解していただけると思います。

では!この章では、イメージセンサーと、画素数について説明していきます。

 

イメージセンサーとは!?

では、イメージセンサーって何かというと、分かりやすく言えば昔のフィルムカメラのフィルムにあたる部分です。sensor

フィルムカメラの場合レンズから入った光の情報を感光する材料がフィルムで、現像されることにより記録媒体となります。

またデジタルカメラのイメージセンサーの場合レンズから入った光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)がイメージセンサーで、ミラーレスデジタルカメラのレンズを外すと見える玉虫色の四角い部分がイメージセンサーです。

ちなみに一眼レフデジタルカメラだと、まずミラーがまず見えるので、その裏に隠れているのがイメージセンサーです。

フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いの部分ですね。 color

色には染料など色材の3原色(CMY…プリンターのインクなどで使う元色です!)と、光の三原色(RGB…テレビやパソコンモニターなどに使う色)があって、もちろんカメラは光を捉えてイメージセンサーで光の三原色のRGBに変換します。

イメージセンサーにはCCDやCMOSなど他にも種類がありますが、現在CMOSが主流ですので、一般的なCMOSでの中身について簡単に説明します。 sui-do2

右図のようにイメージセンサーの中は円で囲んだ拡大図のようにRGBの集合体で出来ていいます。

大まかにはR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)の4色で1画素と配列されている形のものが多いですが、なぜRGBなのにGが二つ!?ってのは、人間の眼というのはGreenに対して一番敏感だからとも言われています。

 

イメージセンサーは様々な大きさがあります

フィルムカメラの標準の35㎜フィルム(1マスの大きさが24mm×36mm)が、一眼レフカメラの上位機種で多く使われるフルサイズといいます。

k20d_e_0501_l ※ボールペンは、イメージセンサーとのおおよその大きさの比較です。

また、昔フィルムカメラであったアドバンストフォトシステムのフィルム相当の大きさの規格がAPS-Cサイズで、出だしの頃の一眼レフデジタルカメラの標準(製造コストの関係で、フルサイズより小さな形になったと言われています。)の大きさでした。

ちなみにNikonのカメラだとフルサイズを“FX” APS-Cを“DX”とも呼ばれています。

またイメージセンサーの大きさが違うので、同じレンズをつけたとしてもAPS-Cの方が写る範囲(=画角)が狭くなり、たとえば50mmレンズのレンズを付けても約1.5~1.7倍の75mmのレンズ相当(50×1.5=75)の画角になるので望遠レンズ(遠景を大きく)を良く使う人にとってはAPS-Cのイメージセンサーのついたカメラが有効かもしれません。

また、フルサイズやAPS-Cよりも、もっと小さいフォーサーズという規格がコンパクトな一眼レフとして各社で共同開発されたり、さらに小さくミラーレス用にマイクロフォーサーズというも大きさの規格もあります。

もちろん、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるのはさらに小さいイメージセンサー1インチ(13.2mm×8.8mm)2/3型(8.8mm×6.6mm)1/1.63型(7.8mm×5.9mm)1/1.7型(7.6mm×5.7mm)1/2型(6.4mm×4.8mm)1/2.3型(6.2mm×4.6mm)と小さなイメージセンサーもあります。  

 

では、画素数とは!?

先ほどイメージセンサーとは!?の光の三原色で説明したR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)4色の1組が1画素とした場合、例えば下の写真のようにイメージセンサーの横配列に3,000マス、縦配列に2,000マス詰め込まれたイメージセンサーは、3,000×2,000=6,000,0000 というわけで600万画素(6メガピクセル)となるわけです。

 

sui-do5解りやすく言うと、四角い中に600万の画素が縦横に並んでいることになります。 最近ではスマホやコンパクトデジタルカメラまで1,000万画素超の画素数のカメラが当たり前のように主流になってきましたが、実は画素数とイメージセンサーの大きさの関係がとても大事なのです。  

フルサイズ(36mm×24mm)のイメージセンサーと小さな1/2.3型(6.2mm×4.6mm)で同じ画素数とした場合 サッカーグランドほどの畑の中に1000株大根を植えた場合と、畳一畳ほどの面積に大根を1000株植えたとしましょう。

もちろん、畳一畳ほどの面積に植えた1000株の大根大部分は、太陽の光が一本一本に充分に届かず育ちが悪くなったり枯れたりするでしょうね。

また、反対にサッカーグランドほどの畑の中の大根は太陽の光をサンサンと浴びて品質の良い大根になるでしょう(大根が育つには土壌も大事ですが、この場合イメージセンサーの性能が土の品質と考えてみると、解りやすいかもしれません)

大小様々なイメージセンサーも同じように考えると、どんどん高画素化競争となっているカメラメーカーですが、小さなイメージセンサーまでフルサイズなどと同じ高画素数にする必要性は本当にあるんでしょうか・・・!?

イメージセンサー1画素1画素に当たる光の量が減少することになるので、感度という面で見れば高画素化が悪影響を起こして、画像の品質が返って落ちてしまうことにもなります。

これを補正するため、信号を増幅しなくてはならない。そうすると信号だけではなくノイズをも増幅することになってしまう。

いわゆる「s/n比の悪化」が起きてしまうのです。  

 

度を過ぎた高画素競争がなぜ無駄なのか!? 
なぜ高画素に執着する必要性がないのか
!?

皆さんは、デジタルカメラで撮った写真をどのようにしてご覧になるでしょう!?

プリント屋さんや、プリンターで印刷するときもあれば、パソコンやスマホなどで観るときも また、ブログやホームページ用として使う場合もありますが、実際どれぐらいの画素数がいるのか説明します。

①まず、撮った写真をプリントするとして!

一般に人間の目では約250dpi(ドットパーインチ、1インチの幅の中に250ドットが並ぶ)以上の画像解像度なら画像のギザギザ(ジャギー)は確認できないとされていますが、広告やチラシなどを作る時の印刷業界のお約束として300~350dpiの画像解像度が必要とされています。

またそれ以上は人の眼で確認できなかったり逆に色にじみの原因にもなるとされていますので、L判サイズ(89mm✕127mm)に300dpiで印刷するとした場合、1051ピクセル ✕ 1500ピクセルで実は150万画素しか要らないのです

写真プリントとしては大きめなA4サイズいっぱいに写真を300dpiでしても870万画素ほどで充分ですし、A3サイズでも十分綺麗です・・・でも…最近の機種では、もう1000万画素以上の時代ですが 

下の表は、プリントサイズやパソコンなど液晶モニターで見るに充分な対応表です 

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※表の見方 左縦列の画素数に対して右の矢印が標準紙300~350dpiの画像解像度あたりでの充分な範囲と、右端列の液晶モニターで見るに足る画素数です(クリックで大きく見れます)

②パソコン画面や液晶テレビで画像を観る場合

パソコンのモニターに表示される『1ピクセル』を画像の『1画素』と考えた場合、汎用のパソコンモニター19インチで1280 × 1024pixelで、画面一杯に画像を広げた見えかけの大きさは130万画素分ほどにしか観ることが出来ません。

フルハイビジョンの4倍の画素数の4Kで800万画素が画面のフルとして見え、私が編集で使っているiMac retinaの5Kで、やっと1475万画素の表示です。

今や1500万画素以上のカメラはコンパクトデジタルカメラでも普通になってきていますよね

なので200万画素の写真も、1625万画素のカメラで写した写真も、同じ大きさでなら画面での見え方は同じになると言う訳です。

 

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上の写真の花は、1625万画素のカメラで撮ったものと200万画素に落とした物ですが、円の中の拡大した画像ではピクセルは200万画素の方がギザギザ(ジャギー)があって荒いですが全体で見ると、高画素も低画素もモニターで観るには全然変わらなく見えることがわかります。

③ブログやホームページ用として

例えば、このサイトの本文の幅は、いっぱいに写真を広げても700ピクセルの横幅です。 それを画素数に換算してみると4対3の一般的な縦横比の写真で、なんと…33万画素足らずしか要りません。

クリックしたときに、大きなサイズで見てもらおうとしても、上記の表を見てもわかるとおり、そんなに画素数は要らないんですよね


さぁ、いかがでしょう!?

ポスター以上の大きさにプリントしたい!とかパソコンでどんどん拡大していって見たい!という利用をする方でしたら、高画素をおすすめします・・・が!

また、高画素な写真は、画像のデータもどんどん大きくなるので、パソコンの容量不足を生んだり、画像を見る表示時間がかかったりすることもあります。

カメラメーカーの高画素化競争で、それが性能かと迷われるかもしれませんが、カメラ選びにとって一般的には高画素には、こだわる必要もないのが理解できたことでしょう。

イメージセンサーと画素数、カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでも大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番重要かもしれません。

 

Matome2イメージセンサーと画素数につい、少し理解いただけたかと思います。

カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでもカメラメーカーの高画素数競争に巻き込まれず、大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番綺麗で背景のボケ味のある写真を撮れるという選択をおすすめします。

 

次回は、第3章  《手振れ!?ピンボケ!? ぼやけた写真には他に原因が!!! 》します

《《《 写真講座のINDEX

 

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撮影依頼などの他にも 学校やサークルなど『レンジャー前田の写真講座』の講義、講習に来て欲しい!などの依頼は喜んで伺いますので、お気軽にお問い合わせください。
 
 
 
 
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