イメージセンサーって!?
高画素数のカメラホントに必要!?
前章では《 まずは自分にあったカメラ選び! 》について書きましたが、このカメラ選びに避けては通れないキーワードが『イメージセンサー』、そして『画素数』 前章でも何度か出てきた『イメージセンサー』ですが、それって何!?とよく聞かれます。
また、カメラの良し悪しを数字で表すメーカーの思惑か、つい高画素ほど良いカメラだ!と考える人が意外に多い… 最近はコンデジやスマホのカメラまでどんどんと高画素に成っていきます。
本当に高画素がいいのか!?…あえて前章でカメラ選びの選択肢に『画素数』を入れなかった理由も今回の講座で理解していただけると思います。
では!この章では、イメージセンサーと、画素数について説明していきます。
では、イメージセンサーって何かというと、分かりやすく言えば昔のフィルムカメラのフィルムにあたる部分です。
フィルムカメラの場合、レンズから入った光の情報を感光する材料がフィルムで、現像されることにより記録媒体となります。
またデジタルカメラのイメージセンサーの場合はレンズから入った光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)がイメージセンサーで、ミラーレスデジタルカメラのレンズを外すと見える玉虫色の四角い部分がイメージセンサーです。
ちなみに一眼レフデジタルカメラだと、まずミラーがまず見えるので、その裏に隠れているのがイメージセンサーです。
フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いの部分ですね。
色には染料など色材の3原色(CMY…プリンターのインクなどで使う元色です!)と、光の三原色(RGB…テレビやパソコンモニターなどに使う色)があって、もちろんカメラは光を捉えてイメージセンサーで光の三原色のRGBに変換します。
イメージセンサーにはCCDやCMOSなど他にも種類がありますが、現在CMOSが主流ですので、一般的なCMOSでの中身について簡単に説明します。
右図のようにイメージセンサーの中は円で囲んだ拡大図のようにRGBの集合体で出来ていいます。
大まかにはR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)の4色で1画素と配列されている形のものが多いですが、なぜRGBなのにGが二つ!?ってのは、人間の眼というのはGreenに対して一番敏感だからとも言われています。
フィルムカメラの標準の35㎜フィルム(1マスの大きさが24mm×36mm)が、一眼レフカメラの上位機種で多く使われるフルサイズといいます。
※ボールペンは、イメージセンサーとのおおよその大きさの比較です。
また、昔フィルムカメラであったアドバンストフォトシステムのフィルム相当の大きさの規格がAPS-Cサイズで、出だしの頃の一眼レフデジタルカメラの標準(製造コストの関係で、フルサイズより小さな形になったと言われています。)の大きさでした。
ちなみにNikonのカメラだとフルサイズを“FX” APS-Cを“DX”とも呼ばれています。
またイメージセンサーの大きさが違うので、同じレンズをつけたとしてもAPS-Cの方が写る範囲(=画角)が狭くなり、たとえば50mmレンズのレンズを付けても約1.5~1.7倍の75mmのレンズ相当(50×1.5=75)の画角になるので望遠レンズ(遠景を大きく)を良く使う人にとってはAPS-Cのイメージセンサーのついたカメラが有効かもしれません。
また、フルサイズやAPS-Cよりも、もっと小さいフォーサーズという規格がコンパクトな一眼レフとして各社で共同開発されたり、さらに小さくミラーレス用にマイクロフォーサーズというも大きさの規格もあります。
もちろん、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるのはさらに小さいイメージセンサー1インチ(13.2mm×8.8mm)2/3型(8.8mm×6.6mm)1/1.63型(7.8mm×5.9mm)1/1.7型(7.6mm×5.7mm)1/2型(6.4mm×4.8mm)1/2.3型(6.2mm×4.6mm)と小さなイメージセンサーもあります。
先ほどイメージセンサーとは!?の光の三原色で説明したR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)の4色の1組が1画素とした場合、例えば下の写真のようにイメージセンサーの横配列に3,000マス、縦配列に2,000マス詰め込まれたイメージセンサーは、3,000×2,000=6,000,0000 というわけで600万画素(6メガピクセル)となるわけです。
解りやすく言うと、四角い中に600万の画素が縦横に並んでいることになります。 最近ではスマホやコンパクトデジタルカメラまで1,000万画素超の画素数のカメラが当たり前のように主流になってきましたが、実は画素数とイメージセンサーの大きさの関係がとても大事なのです。
フルサイズ(36mm×24mm)のイメージセンサーと小さな1/2.3型(6.2mm×4.6mm)で同じ画素数とした場合 サッカーグランドほどの畑の中に1000株大根を植えた場合と、畳一畳ほどの面積に大根を1000株植えたとしましょう。
もちろん、畳一畳ほどの面積に植えた1000株の大根大部分は、太陽の光が一本一本に充分に届かず育ちが悪くなったり枯れたりするでしょうね。
また、反対にサッカーグランドほどの畑の中の大根は太陽の光をサンサンと浴びて品質の良い大根になるでしょう(大根が育つには土壌も大事ですが、この場合イメージセンサーの性能が土の品質と考えてみると、解りやすいかもしれません)
大小様々なイメージセンサーも同じように考えると、どんどん高画素化競争となっているカメラメーカーですが、小さなイメージセンサーまでフルサイズなどと同じ高画素数にする必要性は本当にあるんでしょうか・・・!?
イメージセンサー1画素1画素に当たる光の量が減少することになるので、感度という面で見れば高画素化が悪影響を起こして、画像の品質が返って落ちてしまうことにもなります。
これを補正するため、信号を増幅しなくてはならない。そうすると信号だけではなくノイズをも増幅することになってしまう。
いわゆる「s/n比の悪化」が起きてしまうのです。
度を過ぎた高画素競争がなぜ無駄なのか!? なぜ高画素に執着する必要性がないのか!?
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皆さんは、デジタルカメラで撮った写真をどのようにしてご覧になるでしょう!?
プリント屋さんや、プリンターで印刷するときもあれば、パソコンやスマホなどで観るときも また、ブログやホームページ用として使う場合もありますが、実際どれぐらいの画素数がいるのか説明します。
①まず、撮った写真をプリントするとして!
一般に人間の目では約250dpi(ドットパーインチ、1インチの幅の中に250ドットが並ぶ)以上の画像解像度なら画像のギザギザ(ジャギー)は確認できないとされていますが、広告やチラシなどを作る時の印刷業界のお約束として300~350dpiの画像解像度が必要とされています。
またそれ以上は人の眼で確認できなかったり逆に色にじみの原因にもなるとされていますので、L判サイズ(89mm✕127mm)に300dpiで印刷するとした場合、1051ピクセル ✕ 1500ピクセルで実は150万画素しか要らないのです。
写真プリントとしては大きめなA4サイズいっぱいに写真を300dpiでしても870万画素ほどで充分ですし、A3サイズでも十分綺麗です・・・でも…最近の機種では、もう1000万画素以上の時代ですが
下の表は、プリントサイズやパソコンなど液晶モニターで見るに充分な対応表です
※表の見方 左縦列の画素数に対して右の矢印が標準紙300~350dpiの画像解像度あたりでの充分な範囲と、右端列の液晶モニターで見るに足る画素数です(クリックで大きく見れます)
②パソコン画面や液晶テレビで画像を観る場合
パソコンのモニターに表示される『1ピクセル』を画像の『1画素』と考えた場合、汎用のパソコンモニター19インチで1280 × 1024pixelで、画面一杯に画像を広げた見えかけの大きさは130万画素分ほどにしか観ることが出来ません。
フルハイビジョンの4倍の画素数の4Kで800万画素が画面のフルとして見え、私が編集で使っているiMac retinaの5Kで、やっと1475万画素の表示です。
今や1500万画素以上のカメラはコンパクトデジタルカメラでも普通になってきていますよね
なので200万画素の写真も、1625万画素のカメラで写した写真も、同じ大きさでなら画面での見え方は同じになると言う訳です。
上の写真の花は、1625万画素のカメラで撮ったものと200万画素に落とした物ですが、円の中の拡大した画像ではピクセルは200万画素の方がギザギザ(ジャギー)があって荒いですが全体で見ると、高画素も低画素もモニターで観るには全然変わらなく見えることがわかります。
③ブログやホームページ用として
例えば、このサイトの本文の幅は、いっぱいに写真を広げても700ピクセルの横幅です。 それを画素数に換算してみると4対3の一般的な縦横比の写真で、なんと…33万画素足らずしか要りません。
クリックしたときに、大きなサイズで見てもらおうとしても、上記の表を見てもわかるとおり、そんなに画素数は要らないんですよね
さぁ、いかがでしょう!?
ポスター以上の大きさにプリントしたい!とかパソコンでどんどん拡大していって見たい!という利用をする方でしたら、高画素をおすすめします・・・が!
また、高画素な写真は、画像のデータもどんどん大きくなるので、パソコンの容量不足を生んだり、画像を見る表示時間がかかったりすることもあります。
カメラメーカーの高画素化競争で、それが性能かと迷われるかもしれませんが、カメラ選びにとって一般的には高画素には、こだわる必要もないのが理解できたことでしょう。
イメージセンサーと画素数、カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでも大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番重要かもしれません。
イメージセンサーと画素数につい、少し理解いただけたかと思います。
カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでもカメラメーカーの高画素数競争に巻き込まれず、大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番綺麗で背景のボケ味のある写真を撮れるという選択をおすすめします。
次回は、第3章 《手振れ!?ピンボケ!? ぼやけた写真には他に原因が!!! 》します
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