レンジャー前田の写真講座 第4章【構図】

4章写真の構図!
アングルを少し変えるだけで【写真】が【作品】に!

 

当WEB版写真講座では、カメラ選びから、本当に高画素のカメラは必要なのか??手ぶれピンボケの対処法に続いて、第4章は写真の構図です。

SMK_2342-31例えば10人で旅行に行ったとして、同じ風景をそれぞれ撮ったとしても、十人十色それぞれ違う切り撮り方をしますよね でもその中でみんな同じ風景撮ってるのに『この人の写真、上手い!!」って思う人いますよね。

何が違うか・・・それが構図(アングル)の取り方なんです。例えば、ファインダーなど覗いてて少し右に振っただけ、少しローアングルで撮っただけで写真に奥行きが出たり臨場感が生まれたりするものなんです。

では!第四章でしっかりカッコイイ構図を取れるようにマスターしましょう。

空間のバランスで写真の印象はがらりと変る。

 

まず、この一枚の写真を見てください。

DSC_9599

おそらく誰が見ても瞬間に感じるのは「アマガエルの写真や」とか「かわいいカエル」で終わってしまいませんか!?

 

次に、もう一枚!

DSC_9598jpg

今度はカエルが左に寄りました。少し真ん中から外すだけで右側に空間が生まれ、写真に命が吹き込まれます。

そう!臨場感とか空気を感じたり。 1枚目の写真は、特に初心者などが意識せずに撮ってしまう『日の丸構図』ってヤツです。

hinomaru見た瞬間!これを撮ろうとすると、つい真ん中に入れて撮ってしまう…

でも、それが少しカメラアングルを振っただけ!すなわち構図なんです (右画像参照)

日の丸構図が決して悪いものではなく、安定感のある強い印象を与える構図でもあり、その分写真を見たときに視線が中央重視になるので、使いやすいが最も飽きられやすい構図、でも使いこなすと、最もインパクトのある構図でもあります。

 

そして三枚目!

DSC_9597jpg

さらに空間が空きました

するとどうでしょう!

もう「アマガエルの写真や」でなくなったでしょ

空間を入れて空けるだけで写真に深みが出てくる。無駄とも思える空間に奥行きと臨場感がさらに増して、このアマガエルが、「何を見つめてるんだろう」とか「何を考えてるんだろう?」と、見ているうちにイメージが湧きだし写真にストーリーが生まれて来ます

この空間を創りだすポイントは!生き物たちが見つめている方向に空間を開けます。主題と空間のバランス = 構図といってもいいと思います。

 

1animal (13) 1animal (5)

それはポートレートスナップでも同じです

DSC_9286 KUN_4012

 

では!様々な構図の中から、代表的な4つの構図で説明していきますね

構図-1

二分割構図

画面を縦または横に2つに分割、また4当分の中に配置して安定感をアピールする構図で、重量感の感じる構図です。

先ほどの生き物の写真も、この構図が使われ、また左右対称に被写体を捉える『シンメトリー構図』とも呼ばれシンメトリーな被写体にもつかえる構図です。

 

構図-2jpg

KUN_3831 MKS_4084

斜め二分割構図 (対角線構図)

被写体を斜めに配置することで写真に奥行きだったり、動きを出すことが出来ます ダイナミックな印象と躍動感も感じられ、大きな建物などを広角なレンズで撮ると迫力も生まれます。

電車や飛行機、スポーツなどで当てはめると効果的です。 しかし、無理やりこの構図で収めようとすると不安定感を生み出すこともありますので、注意が必要です。

 

構図-4

DSC_4509 DSC_853-1

三分割構図

人間が美しいと感じる配置・分割法 画面を3分割したライン上に背景の区切りとなる線を配置することで、バランスよく安定感と奥行きも感じられ、一番スッキリと見せることができる代表的な構図です!

画面を縦横にそれぞれ三分割し、画面を9分割して被写体を配置したり、交点の赤丸?にポイントを置くことで安定した構図にもなります。

 

構図-45

KUN_6071 1024

黄金分割点

図のように、黄金分割点は画面の対角線上から直角に線を引いた交点の赤丸?に見せたいものを置くスマートに決まる構図です。

三分割法と似ていますが、共にバランスの良い安定した写真に仕上がります。

 

構図-4-3

RAN_2228 SMK_2342-3

 


 

Matome2ここでは『日の丸構図』『二分割構図』『斜め二分割構図』『三分割構図』『黄金分割点』について説明しましたが、 他にもアンモナイトの形のような『黄金比』額縁の中に絵があるような『額縁構図』パース的な『放射線構図』『トンネル構図』『S字構図』などありますが、 今回の四つだけ覚えると、それが他の構図にもしっくり当てはまっていくものなので、あえて割愛しました。

最近のデジタルカメラやスマホでも、様々な構図のグリットラインが出るものもあるので、ぜひ試してみてください。

きっと!素敵な作品が作れるでしょう!

 

次回は、第5章

《 背景が重要!背景が写真の主役を引き立ててくれる!! 》

》》》 写真講座のINDEX

 

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撮影依頼などの他にも 学校やサークルなど『レンジャー前田の写真講座』の講義、講習に来て欲しい!などの依頼は喜んで伺いますので、お気軽にお問い合わせください。
 
 
 
 
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 『レンジャー前田の写真講座の著作権について!』 この講座に掲載しているテキスト、オリジナル写真やオリジナルCGなど全てのコンテンツの著作権は、STUDIO MODEL K’sまたはレンジャー前田に帰属します。 当 写真講座に掲示するコンテンツの全部又は一部を、事前の承諾なしに、転載、コピー、出版等その他著作権等を侵害する行為を自ら、また第三者に行わせることも一切できません。 またリンクについて、当サイトはリンクフリーですが、予告なくページの追加、変更または削除することがありますので、予めご了承ください。

レンジャー前田の写真講座 第3章【手ぶれ】

3章手ぶれ!?ピンボケ!? 
ぼやけた写真…実は他に原因が!!

 

様々な場所で写真講座を開催させていただいてますが、講義の最後にいつも質疑応答の時間を設けるのですね! brecme

そして、毎回なぜか多い質問に「撮ったら、すぐ手ぶれしてしまうんですが、手ぶれしない撮り方は?」「いつもピンボケ写真ばかりで…どこが悪いんでしょう!?」など質問を受けます。

最近のデジタルカメラには【手ぶれ補正機能】ってのがカメラやレンズに備わっている機種もどんどん出てきていますが、万能というわけではないのです

せっかく撮った写真の「一番撮りたかった主役がぼけてしまっている…」ほど悔しいものはないですよね! 手ぶれ補正が付いている、付いていないに関わらす、ぼやけた写真には手ぶれ以外にも様々な原因が隠されています。

なぜ手ぶれやボケた写真が写ってしまうのか!?今回のWEB講座で、原因がわかれば、きっと解決しることでしょう!

 

手ぶれ

まずは、よく言われる手ぶれというやつですが、特徴は全体的にぼやけてしまって、よく見ると一方向にブレている写真のことです。 

tebure   ※上の写真を見比べて見ましょう。右の写真は手前の女性も背景もブレている

《 原因 》
〇構え方、持ち方が悪い

左手でしっかりカメラを支える!がポイント。 shoot

私、レンジャー前田は元陸自レンジャー隊員なのですが、もちろん小銃射撃は得意分野でした。

一眼レフカメラを初めて構えた瞬間、周りから「レンジャーさん、それ銃を打つ構えやん!」と言われたことも^^

小銃というのもカメラと同じで少しでも構えがブレると、絶対に的に当たらない…それはカメラも同じです。レンジャー前田流構えは、どことなく射撃スタイルでしょう!? 

コツは右の写真のようにしっかり左腕でカメラを支え、その左腕は脇を締めるというより、左肘を左の胸にもたせかける。shoot

そのことによって左腕はしっかりつっかえになってブレないのです。またカメラが身体の重心に近いので、安定して見えると思います。

また、近くに壁や椅子、また屋外では樹などがあれば身体をもたせかけるのも、ブレにくいポイントです。

〇シャッターを押す時に力が入る

実は、これが結構多くて、シャッターを押したときにカメラを持つ手はその押すのに力を入れるため、どうしても手が動いてしまいます。

シャッターを押す指を大きく動かさない。

私が自衛官の時、小銃射撃でも、トリガーを力強く押すと銃までもが小刻みに動いて『がくびき』と言って、的から大きく外れたりします。

左手はしっかりカメラを保持して、右手に力をあまり加えず軽くシャッターに指を載せる感じで力を抜いてそっと押す!がポイントです。

【手ブレ補正付き】のカメラは、この手ブレに対してだけ、しかも高速なシャッターに対してだけ有効なのです。  

 

ピントずれ (ピンボケ)

 

文字通りピントがボケてる写真です。

特徴は、ピントの位置がずれて撮りたかった写真の主役以外のどこかにピントが合い、ピントを合わせたかった物が、手ぶれのようにブレているわけではなく、もわっとした感じで写る

 

pinboke

 

上の写真を見比べて見ましょう。右の写真は手前の女性にピントが会わずにボケている

《 原因 》

〇AF(オートフォーカス)スイッチがオフになっている!・・・カメラのフォーカス設定チェック

〇カメラモードぶれ・・・風景モードのまま近距離の撮影をしてもピントが合わないし、マクロモードのまま少し遠い位置を撮ろうとしてもピントが合わないので、設定を戻す。

〇ピント位置の表示がずれていた・・・慌てず、ゆっくりピントが合ったのを確認して写す!

AF(オートフォーカス)の効きにくい被写体・・・単色で色調や明瞭度が薄い時、空や夜などピントが合いづらいものを撮った時、カメラ側でうまくピントを合わせられなかい時もあります。

また、被写体より背景にピントが合っちゃうこともある。

レンズの画角でも、広角側より望遠側で撮ったときの方が起こりやすいです。

 

被写体ぶれ

 

特徴は、シャッタースピードが遅いため動いている者だけが一方向にずれて写る

Bure

※上の写真を見比べて見ましょう。右の写真は手前の女性が動いている方向にブレている

《 原因 》

〇シャッタースピードが遅い・・・外光が暗い場合や、絞りを絞った場合にシャッタースピードが遅くなるのですが、ISO感度を上げてみたり、ストロボ (フラッシュ)を焚く、また、モード切り変えの出来る機種ではシャッタースピード優先にしたり、絞りを開放側に持っていくと、同じシーンでもシャッタースピードは速くなります。

シャッタースピードの速い遅いのおおよその感覚はシャッターを押した時短く小気味よく「カシャ」なるのがおおよその適性速度で、シャッタースピードが遅いとゆっくり「カッ…シャン」と鳴るので、そのシャッターの開く時間だけ被写体が動いている間が写ってしまうという訳です。

また、シャッタースピードをわざと遅くし、被写体ブレを利用して面白い写真が撮れたりもしますので、ぜひ試してみてください。

SMK_5682 三脚使用で、シャッタースピードをゆっくりにすると走っている車は流れます。
MKS_5950 三脚使用で、シャッターの開いている間にズームを動かします 【ズーミング
RAN_1487 車のダッシュボードの上に固定してスローシャッターで撮った写真。
RAN_5309 三脚使用で空港の飛行機の離陸をスローシャッターで!

 

 

長時間露光】 というように、被写体ブレはコツをつかんで味方に付けると、面白い写真も撮れたりします。

 

Matome2ピンボケは、落ち着いてピントが合っているか確認する。

またシャッタースピードを上げる溜ISO感度を高感度すると、手ぶれ・被写体ブレ両方に効果がありますが、 欠点は感度を上げると絶対に画質が劣化するので、上げすぎない事が大事です。

またその都度低い感度に戻しておく事、マクロモードや遠景モードなどに設定した場合も、元に戻しておく事をお忘れなく!

手ぶれ補正はある程度のシャッタースピードであれば感度を低いままで撮れば画質を劣化させずに暗い場所での撮影が可能になること。しかし欠点は手ぶれにしか効果がありません。

次回は、第4章  《 写真の構図!アングルを少し変えるだけで【写真】が【作品】に! 》

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レンジャー前田の写真講座 第2章【画素数】

2章 イメージセンサーって!?
高画素数のカメラホントに必要!?

 

 

前章ではまずは自分にあったカメラ選び!について書きましたが、このカメラ選びに避けては通れないキーワードが『イメージセンサー』、そして『画素数』 前章でも何度か出てきた『イメージセンサー』ですが、それって何!?とよく聞かれます。cmos_

また、カメラの良し悪しを数字で表すメーカーの思惑か、つい高画素ほど良いカメラだ!と考える人が意外に多い… 最近はコンデジやスマホのカメラまでどんどんと高画素に成っていきます。

本当に高画素がいいのか!?…あえて前章でカメラ選びの選択肢に『画素数』を入れなかった理由も今回の講座で理解していただけると思います。

では!この章では、イメージセンサーと、画素数について説明していきます。

 

イメージセンサーとは!?

では、イメージセンサーって何かというと、分かりやすく言えば昔のフィルムカメラのフィルムにあたる部分です。sensor

フィルムカメラの場合レンズから入った光の情報を感光する材料がフィルムで、現像されることにより記録媒体となります。

またデジタルカメラのイメージセンサーの場合レンズから入った光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)がイメージセンサーで、ミラーレスデジタルカメラのレンズを外すと見える玉虫色の四角い部分がイメージセンサーです。

ちなみに一眼レフデジタルカメラだと、まずミラーがまず見えるので、その裏に隠れているのがイメージセンサーです。

フィルムカメラとデジタルカメラの大きな違いの部分ですね。 color

色には染料など色材の3原色(CMY…プリンターのインクなどで使う元色です!)と、光の三原色(RGB…テレビやパソコンモニターなどに使う色)があって、もちろんカメラは光を捉えてイメージセンサーで光の三原色のRGBに変換します。

イメージセンサーにはCCDやCMOSなど他にも種類がありますが、現在CMOSが主流ですので、一般的なCMOSでの中身について簡単に説明します。 sui-do2

右図のようにイメージセンサーの中は円で囲んだ拡大図のようにRGBの集合体で出来ていいます。

大まかにはR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)の4色で1画素と配列されている形のものが多いですが、なぜRGBなのにGが二つ!?ってのは、人間の眼というのはGreenに対して一番敏感だからとも言われています。

 

イメージセンサーは様々な大きさがあります

フィルムカメラの標準の35㎜フィルム(1マスの大きさが24mm×36mm)が、一眼レフカメラの上位機種で多く使われるフルサイズといいます。

k20d_e_0501_l ※ボールペンは、イメージセンサーとのおおよその大きさの比較です。

また、昔フィルムカメラであったアドバンストフォトシステムのフィルム相当の大きさの規格がAPS-Cサイズで、出だしの頃の一眼レフデジタルカメラの標準(製造コストの関係で、フルサイズより小さな形になったと言われています。)の大きさでした。

ちなみにNikonのカメラだとフルサイズを“FX” APS-Cを“DX”とも呼ばれています。

またイメージセンサーの大きさが違うので、同じレンズをつけたとしてもAPS-Cの方が写る範囲(=画角)が狭くなり、たとえば50mmレンズのレンズを付けても約1.5~1.7倍の75mmのレンズ相当(50×1.5=75)の画角になるので望遠レンズ(遠景を大きく)を良く使う人にとってはAPS-Cのイメージセンサーのついたカメラが有効かもしれません。

また、フルサイズやAPS-Cよりも、もっと小さいフォーサーズという規格がコンパクトな一眼レフとして各社で共同開発されたり、さらに小さくミラーレス用にマイクロフォーサーズというも大きさの規格もあります。

もちろん、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるのはさらに小さいイメージセンサー1インチ(13.2mm×8.8mm)2/3型(8.8mm×6.6mm)1/1.63型(7.8mm×5.9mm)1/1.7型(7.6mm×5.7mm)1/2型(6.4mm×4.8mm)1/2.3型(6.2mm×4.6mm)と小さなイメージセンサーもあります。  

 

では、画素数とは!?

先ほどイメージセンサーとは!?の光の三原色で説明したR(Red:赤)+G(Green:緑)+B(Blue:青)+ G(Green:緑)4色の1組が1画素とした場合、例えば下の写真のようにイメージセンサーの横配列に3,000マス、縦配列に2,000マス詰め込まれたイメージセンサーは、3,000×2,000=6,000,0000 というわけで600万画素(6メガピクセル)となるわけです。

 

sui-do5解りやすく言うと、四角い中に600万の画素が縦横に並んでいることになります。 最近ではスマホやコンパクトデジタルカメラまで1,000万画素超の画素数のカメラが当たり前のように主流になってきましたが、実は画素数とイメージセンサーの大きさの関係がとても大事なのです。  

フルサイズ(36mm×24mm)のイメージセンサーと小さな1/2.3型(6.2mm×4.6mm)で同じ画素数とした場合 サッカーグランドほどの畑の中に1000株大根を植えた場合と、畳一畳ほどの面積に大根を1000株植えたとしましょう。

もちろん、畳一畳ほどの面積に植えた1000株の大根大部分は、太陽の光が一本一本に充分に届かず育ちが悪くなったり枯れたりするでしょうね。

また、反対にサッカーグランドほどの畑の中の大根は太陽の光をサンサンと浴びて品質の良い大根になるでしょう(大根が育つには土壌も大事ですが、この場合イメージセンサーの性能が土の品質と考えてみると、解りやすいかもしれません)

大小様々なイメージセンサーも同じように考えると、どんどん高画素化競争となっているカメラメーカーですが、小さなイメージセンサーまでフルサイズなどと同じ高画素数にする必要性は本当にあるんでしょうか・・・!?

イメージセンサー1画素1画素に当たる光の量が減少することになるので、感度という面で見れば高画素化が悪影響を起こして、画像の品質が返って落ちてしまうことにもなります。

これを補正するため、信号を増幅しなくてはならない。そうすると信号だけではなくノイズをも増幅することになってしまう。

いわゆる「s/n比の悪化」が起きてしまうのです。  

 

度を過ぎた高画素競争がなぜ無駄なのか!? 
なぜ高画素に執着する必要性がないのか
!?

皆さんは、デジタルカメラで撮った写真をどのようにしてご覧になるでしょう!?

プリント屋さんや、プリンターで印刷するときもあれば、パソコンやスマホなどで観るときも また、ブログやホームページ用として使う場合もありますが、実際どれぐらいの画素数がいるのか説明します。

①まず、撮った写真をプリントするとして!

一般に人間の目では約250dpi(ドットパーインチ、1インチの幅の中に250ドットが並ぶ)以上の画像解像度なら画像のギザギザ(ジャギー)は確認できないとされていますが、広告やチラシなどを作る時の印刷業界のお約束として300~350dpiの画像解像度が必要とされています。

またそれ以上は人の眼で確認できなかったり逆に色にじみの原因にもなるとされていますので、L判サイズ(89mm✕127mm)に300dpiで印刷するとした場合、1051ピクセル ✕ 1500ピクセルで実は150万画素しか要らないのです

写真プリントとしては大きめなA4サイズいっぱいに写真を300dpiでしても870万画素ほどで充分ですし、A3サイズでも十分綺麗です・・・でも…最近の機種では、もう1000万画素以上の時代ですが 

下の表は、プリントサイズやパソコンなど液晶モニターで見るに充分な対応表です 

tec@4s@-1

※表の見方 左縦列の画素数に対して右の矢印が標準紙300~350dpiの画像解像度あたりでの充分な範囲と、右端列の液晶モニターで見るに足る画素数です(クリックで大きく見れます)

②パソコン画面や液晶テレビで画像を観る場合

パソコンのモニターに表示される『1ピクセル』を画像の『1画素』と考えた場合、汎用のパソコンモニター19インチで1280 × 1024pixelで、画面一杯に画像を広げた見えかけの大きさは130万画素分ほどにしか観ることが出来ません。

フルハイビジョンの4倍の画素数の4Kで800万画素が画面のフルとして見え、私が編集で使っているiMac retinaの5Kで、やっと1475万画素の表示です。

今や1500万画素以上のカメラはコンパクトデジタルカメラでも普通になってきていますよね

なので200万画素の写真も、1625万画素のカメラで写した写真も、同じ大きさでなら画面での見え方は同じになると言う訳です。

 

10-2 10-1

 

上の写真の花は、1625万画素のカメラで撮ったものと200万画素に落とした物ですが、円の中の拡大した画像ではピクセルは200万画素の方がギザギザ(ジャギー)があって荒いですが全体で見ると、高画素も低画素もモニターで観るには全然変わらなく見えることがわかります。

③ブログやホームページ用として

例えば、このサイトの本文の幅は、いっぱいに写真を広げても700ピクセルの横幅です。 それを画素数に換算してみると4対3の一般的な縦横比の写真で、なんと…33万画素足らずしか要りません。

クリックしたときに、大きなサイズで見てもらおうとしても、上記の表を見てもわかるとおり、そんなに画素数は要らないんですよね


さぁ、いかがでしょう!?

ポスター以上の大きさにプリントしたい!とかパソコンでどんどん拡大していって見たい!という利用をする方でしたら、高画素をおすすめします・・・が!

また、高画素な写真は、画像のデータもどんどん大きくなるので、パソコンの容量不足を生んだり、画像を見る表示時間がかかったりすることもあります。

カメラメーカーの高画素化競争で、それが性能かと迷われるかもしれませんが、カメラ選びにとって一般的には高画素には、こだわる必要もないのが理解できたことでしょう。

イメージセンサーと画素数、カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでも大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番重要かもしれません。

 

Matome2イメージセンサーと画素数につい、少し理解いただけたかと思います。

カメラとして選ぶなら、コンパクトデジタルカメラでも一眼レフカメラでも少しでもカメラメーカーの高画素数競争に巻き込まれず、大きなサイズのイメージセンサーを選ぶというのが一番綺麗で背景のボケ味のある写真を撮れるという選択をおすすめします。

 

次回は、第3章  《手振れ!?ピンボケ!? ぼやけた写真には他に原因が!!! 》します

《《《 写真講座のINDEX

 

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レンジャー前田の写真講座 第1章【カメラ選び】

1章

自分にあったカメラとは ?!

色々迷うカメラ選びも、これで解決!!!

 

153こんにちは!写真家としても活躍しているレンジャー前田です

毎年写真の特別講座を開催する堺自由の泉大学始め、各地で数多くのカメラ講座や講演等を行っています。

そこで、このサイトでもカメラ講座を、数回の章に分けて『WEB版!レンジャー前田のカメラ講座』を出来るだけ分かりやすく記事にすることにしました。

これから、カメラを買いたい! もっと綺麗に撮りたい! 一眼レフを買ったが何もわからず上手く撮れない!っというアナタ きっとココがお役に立ちます。

◉ どんなカメラで撮るか!? ポイントはその人それぞれのライフスタイルや、何を撮りたいか!? を考えてみることから…

1.まず優先するのはみなさんの予算

これは、やっぱり避けては通れないですよね^^

2.どんな機能が付いているか!?

自分が欲しいデザイン・本格的に趣味として一眼レフなど勉強してみたいなど一眼レフやコンパクトカメラなど形もポイント!なのですが…question

でも、その前に最近のカメラにはいろんな付加機能が付いているので、どんな機能が欲しいかもちゃんと下調べしておくのが、買って失敗しない選び方のポイントかもしれませんね。

「よく手ブレ写真を撮ってしまう」ので手ブレ補正は必須とか、ファインダーで覗かなくても液晶画面で見られるライブビューがいい、また最近のデジタルカメラにはほとんどと言っていいほど付いている動画撮影機能が付いてるか!?

「あれ!? この写真どこで撮ったっけ…みたいな時に便利なGPS付きや、いちいちパソコンに繋がなくてもスマホやPCに無線やWi-Fiで飛ばせる無線接続が付いてるか!?

旅先での記念撮影など、人の顔を自動で認識したり笑顔になった瞬間にシャッターが落ちてくれるものもある顔認識など、まだまだどんどんと言っていいほどデジタルカメラの機能は進化していますが、どうしてもこの機能は欲しい!ってのを、自分が欲しいと思っているカメラに付いているかを調べて選ぶのが、まず失敗しないポイントです。

 

3.使いたいシーン

夜空や花火を撮りたいとか、旅行などで思い出に撮るカメラが欲しい!

また、ブログなどWEB用、子供やペットを撮りたい、花や植物が好きで撮り溜めたい、常に持ち歩いてスナップがしたい、四季の移り変わりや自然の風景を撮りたい。などなど、それをどの程度の写真品質で撮りたいか!?でも決まってきますよね。came007.

この章の最後に、この使いたいシーンにぴったりなカメラについて説明しますが、写真品質としてこだわりたいとか、一眼レフで撮りたい。

またカバンやポケットに入るのがいい!などから考えるのも数ある選択肢の中から見つけ出すコツです。

よく、一眼レフを買ったのに全然いい写真が撮れない…スマホで撮ったほうが綺麗なんです…という相談も受けます。

一眼レフだからいい写真が撮れるというものでもなく、とくに中級機種以上の一眼レフだと、それなりの知識がなければ、思ってるイメージとかけ離れた写真になったりします。

また最近ではスマホでも充分綺麗な写真として残せるものもあります。

◉ では!どんなカメラが自分に合っているか? 次に、大きく分けてカメラを5種類に分け比べてみましょう

一眼レフデジタルカメラ

came002 マクロレンズや広角、望遠、魚眼レンズなどを比較的簡単に付け替えれ、そのレンズを通した映像を光学ファインダーで確認できるカメラです。

一眼レフカメラの「一眼」とは、レンズ(眼)と光学ファインダー用のレンズ(眼)が同一に観られるカメラです。

一眼レフカメラの「レフ」は「光を反射する」という意味の「レフレックス(reflex)」の略で、 レンズから通る光をまずミラーで上に反射させ、カメラ上部の出っ張りの中に組み込まれているミラープリズムを通ってファインダーで観られる仕組みです。

しかし、最近の機種では、ファインダーだけでなくコンパクトデジタルカメラのように液晶画面で確認できるのが「ライブビュー」です

 

ミラーレスデジタルカメラ

came003 ミラーレス一眼とは、小型化のためにミラーやプリズム部分を排して、直接イメージセンサーに読み込ませ、液晶画面や、電子ビューファインダー(一眼レフのように肉眼では視れませんが)で観ることもできます。

構造はコンパクトカメラと同じようですが、一眼レフのようにレンズが自由に付け替えられます。   came008.

一眼レフデジタルカメラと、ミラーレスカメラの違いをまとめると
左側 一眼レフデジタルカメラ ミラーレスデジタルカメラ

一眼レフデジタルカメラの構造で、レンズから入った光の情報をレンズの奥のミラーがプリズムの方に押しやって、それを反射した光がファインダーへ行くので、光学的に直接見えます。(シャッターを押した時、ミラーが上に跳ね上がります。)

ミラーレス一眼のデジタルカメラの構造で、左の図のミラーとプリズムを排した分だけ、本体が薄くなります。また、レンズとイメージセンサーとの距離が近くなりますので、一眼レフとミラーレスのレンズは、焦点の設計上共有できないのです。

 

◉ では!共にレンズを付け替えられる一眼レフとミラーレス一眼の長所と短所を比較してみましょう。

came009.

どちらも、専用レンズを付け替えれるカメラですが、ペンタプリズムやミラーのないミラーレスカメラの方が圧倒的にコンパクトで軽く持ち歩ける。

しかし、元々各社にある一眼レフ用レンズバリエーションが直接使えないのでレンズの種類がまだ少ないのが現状で、肉眼で観るように被写体を見られないので、動く被写体には少し不利なところもあります。

 

高級コンパクトデジタルカメラ
高ズームコンパクトデジタルカメラ

came004高級コンパクトデジタルカメラは画質重視で、レンズが明るかったりイメージセンサーが「1/1.7型」以上の大きなセンサーをつけています。

一眼レフ並みのフルサイズのセンサーのものもあり、かさばらずいつでも気軽に一眼レフ並みの写真が撮れたりします。

また高ズームのコンパクトデジタルカメラとは、一眼レフやミラーレスほど大きくなく、レンズを変えることなく広角から高倍率なズームまで対応しているので、一眼やミラーレスのようにいくつものレンズを持ち歩くこともなく手軽にいろいろな焦点距離を写せる機種です。

 

コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)

came006.文字通りコンパクトが売り! イメージセンサーは比較的小さいが最近のデジタル技術を真っ先に取り入れられたりもするので、小さなレンズ、小さなイメージセンサーの欠点を抑えるようにデジタル処理がなされてきているのも最近の傾向です

コンパクトなので、例えば防塵耐衝撃とか30m防水など、一眼レフなら高価なハウジングをかぶせないと水中撮影が出来ないものなども機能されているものもあります。

◉ では!共に手軽に持ち歩くことが出来るコンパクトデジタルカメラと高級コンパクトデジタルカメラ、高ズームコンパクトデジタルカメラの長所と短所を比較してみましょう。

came010. のコピー

  一眼レフやミラーレスのようにレンズをいくつも持ち運ぷこともないので、軽くコンパクトで気軽に持ち歩けるのは大きな利点です。

 

スマートフォンなど

came005スマートフォンや携帯電話のカメラもれっきとしたデジタルカメラと言えます。

これがなかなか侮れないなぁーってのが、最近とくに私の思うところです。

というのも、スマホそのものがどんどん薄型で電話やコンピューターの回路が詰まっている中に組み込まれているのに、そのままブログにも写真をアップできるのはもちろん、イメージセンサーがその他のカメラと比較しても一番小さいのにかかわらず最先端技術競争真っ只中のスマートフォン、コンデジ並みにどんどん綺麗な写真が撮れるものが出てきています。

またスマホには様々なカメラ用のアプリも沢山あって、撮った写真を他のカメラ顔負けにパソコンいらずに加工できたり、コラージュ出来るものや、また一眼レフで撮ったかのような背景のぼかし技術を持つアプリまであります。 

どんどんコンパクトデジタルカメラの立場が少なくなってきてるかなぁーなんて思ったりしています。

 

では、冒頭にも書いた、<使いたいシーン>から選ぶカメラ選びをまとめてみます。

夜景や花火を撮りたい

パクトデジタルカメラやスマートフォンのカメラなどにも夜景モードなどありますが高感度でムラなく撮るには、一眼レフと明るいF値のレンズの組み合わせが有利。

また長時間露光で星を流れるように撮ったり、夜間の道路などに走る車の軌跡を流れるように撮ったりするのも一眼レフなどが有利です。

なお、その場合には三脚を使うことは必須です。

 

Nightview 1

 

旅行とかで思い出程度で!

旅先など、手軽なのが一番! ここは、コンパクトデジタルカメラが優位です。

しかし、コンデジや画質にこだわるなら高級コンデジ、高倍率ズームのコンデジ、ミラーレスなども旅先での楽しさ倍増させてくれるでしょう。

 

snap

 

ブログなどWEB用

写真そのものにこだわらないのであれば、WEBでは低サイズ低画素な写真で充分なので、スマホやコンパクトデジタルカメラでも充分に綺麗な写真を載せたりできます。

 

Blog

 

子供やペットを撮りたい

動き回る被写体には、やはりAF速度(ピントの合う速さ)の早い一眼レフがおすすめ。止

まっている被写体を撮るなら、とくにこだわらなくてもライフスタイル似合わせたカメラでも可愛い写真をのこせます!

 

child

 

花や植物が好きで撮り溜めたい

一眼レフやミラーレスにマクロレンズを着けると、近くに寄れて絶妙な写真が撮れる。コンデジの場合には、マクロモードなどを使って撮ることも

 

flower

 

常に持ち歩いてスナップがしたい

ハイエンドコンデジやコンデジ、スマホでも充分

 

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四季の移り変わりや自然の風景を撮りたい

一眼レフやミラーレス、ハイエンドコンデジなら綺麗に撮れますが、自分の楽しみで撮るなら、別段高機能なカメラでなくてもその綺麗な瞬間は充分に今のデジタルカメラなら残せます。

 

season

 

ポートレート

絶妙なピントや背景を綺麗にボケる写真を撮るならF値の明るいレンズとイメージセンサーの大きな一眼レフの出番です!

しかし、Blogのプロフィールようなど小さな画素数の写真でいいとか、記念に!など撮る用途によって、今のデジタルカメラなら自由にチョイスしてもいいでしょう。

 

portrait

 

Matome2カメラを持って街に出かけたり旅行をするときなど、一眼レフは大きくて重たい!とか、持ち運びも軽いコンデジでは一眼レフに写りでかなわないのでは!?とカメラ選びを迷う方たちに解説しましたかが、あなたにぴったりなカメラのイメージをつかんでいただけたでしょうか?

一眼レフも買って、ときにはコンデジやスマホのカメラで気軽に!というのもアリ!! そんなライフスタイルを取り入れてもいいですね。

これを元に、あなたに合ったお気に入りのカメラをぜひ、この章を参考に無駄なく見つけてくださると嬉しいです。

次回は、第2章イメージセンサーって!? 高画素数のカメラホントに必要!?

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